「ドカン」と納税額日本一

 

いよいよ大阪も梅雨入りです。ジメジメといやな季節がやってきました。我が家の近所では田植えも終わり、夜にはカエルの大合唱が始まります。やかましいのですが、これも季節の風物詩、いかに他の音がないかという田舎ゆえの特性でしょうか。

 

さて、先日恒例の高額納税者が全国の税務署で公示されました。今回は、土地を売却することによって多額の納税をした、いわゆる「土地長者」が上位ではバブル期の10分の1以下に減少しています。臨時収入による飛び抜けた高額納税者が減少する一方で、美容・健康・娯楽・消費者金融などの本業が好調な会社経営者の「本業長者」が目立っています。

 

今回の全国トップの納税者となったのは斎藤一人氏で、健康食品販売「銀座まるかん」の創業者です。ダイエット食品「スリムドカン」は大ヒットしました。1993年以降11年連続で上位100位に入り、11年間の納税額は160億円を越し、ご本人は「生涯納税額は日本一」と胸を張り、「全国の仲間とバンザイする」とコメントしました。それこそ、国税庁の中庭に銅像がたってもおかしくないような方ですね。

 

一方ではバイザイという訳にはいかない人も。この公示の対象となるのは、毎年3月末までに確定申告をした納税者のうち、所得税額が1000万円を越える方です。昨年、大手警備会社の創業者一族は、公示の期限後に修正申告(延滞税がかかるが)をすることにより、公示の対象から外れていたとのことです。実際の納税額は最高の人で81臆円もありました。今回の公示対象の全国トップが11臆円ですから、いかにすごい金額かはわかります。もし公示の対象になっていれば、過去最高の納税額になるはずでした。この件に関してご本人は、「セキュリティ会社の創業者として、リスクを防ぐためにもやむをえなかった」とコメントしています。公示されるのがリスクなのかどうかは定かでありませんが、財産は自社のセキュリティ・システムがしっかり護ってくれるはずですが・・・。

 

毎年のことながら、高額納税者の発表は時世を反映して、ブームを築いた、あるいは、うまく乗れた面々が上位に並んでいます。健康食品、ダイエット、プチ整形・・・そういえば、先日亡くなられた日本マクドナルドの創業者の藤田 田氏が自身の著書のなかで、「商売の基本は女性と口を狙え」と語っていたのを思い出しました。ご自身もそれで成功した一人で、今回亡きあとも全国で14位にランクされていました。そういえば、最近のパチンコ店は女性も入りやすいようにおしゃれになって来ました。大阪ミナミでは女性専用のホールもできているようです。高額なブランドショップの好調など、うーん、女性は元気ですねー。

 

高額納税者のプロスポーツ部門のトップが巨人の清原選手です。その清原選手は、先日プロ19年目にして、2000本安打を達成しました。西武時代は6度の日本シリーズ制覇に貢献し輝かしい実績を残しましたが、巨人に移籍してからはケガや打撃不振から、オーナーから屈辱的なことも言われ、昨年は始めてオールスターも出場できなかったなど辛い日々も多かったと思います。2000本安打を打った当日の記者会見では、「このうれしい瞬間があるからこそ、辛いことも辛抱できた」とのコメントがありました。人生山あり谷あり、目標だけは失わずに前向きに生きていればきっといいことがある、と教えられたような気がします。

 

清原選手は私と同じ 岸和田市 出身です。まだまだ、現役にこだわって、更なる目標に向って頑張っていただきたいと思います。清原選手の巨人が走り出しましたが、昨年セリーグをダントツで制覇したタイガースはちょっと低迷気味です。まだまだチャンスはあります。最後まであきらめずに、今こそ「NEVER NEVER NEVER SURRENDER」。

 

2004年6月 西野 津