国民負担増

 

早いもので今年も師走になりました。師走とは、先生が走り回ることが語源になっているそうですが、私らにとってこれから始まる年末調整、確定申告と続く繁忙期。またこの時期が来たかと身を引き締めております。

 

来年度の税制改正もいよいよ大詰めです。今月中旬には発表される税制改正大綱まであとわずか。中味はというと、今回は増税のオンパレードです。平行して行われている年金制度改革の議論でも将来に向けての現役世代の負担増と、給付の削減が盛んに言われております。保険料負担は20%(現在13.58%)程度まで引き上げること、給付水準は現役時の50%(現在59%)を下限とし、国庫負担割合を現在の1/3から1/2に引き上げること、などが骨子となっています。負担割合20%というのは経済界から重すぎるとの批判が出ているので、若干下がる可能性はありますが、いずれにしても、現在の水準から徐々に負担増になるのは間違いありません。

 

国庫負担というのは税金であり、1/3から1/2に増加させる財源は増税により確保するしか方法はありません。将来の消費税引上げと、目先は今回の税制改正で議論されている20%の特別減税の廃止・縮小や公的年金控除の縮小、老年者控除の縮小などの増税のオンパレードへとつながることになります。すでに来年から実施されることが確定している、配偶者特別控除の廃止や消費税の免税点の1000万円以下への引下げなど、「この世は地獄じゃー」と悲鳴を上げたくなるような国民負担増のオンパレードです。

 

企業にとっても厚生年金保険料の半分を負担していますので、賃金を上げなくても、社会保険料という人件費の負担が増加していくことになります。厚生年金とは別に、健康保険料も企業は半分を負担しています。今後も高齢化社会において医療費が増大することを考えれば負担増が避けられません。経営者にとって人を雇うコストが非常に重くなるので、採用には慎重にならざるを得えません。従業員も企業同様、勝ち組と負け組みに分かれ、給与格差などが拡大するものと思われます。従業員の方も、給料の額面とは別に会社がそれだけのコストを負担しているということの認識とありがたみを感じ、期待にこたえられるよう頑張らなければならないと思います。

 

話は変わり、今年の流行語大賞が先日発表されました。大賞は3つあり、「毒まんじゅう」「なんでだろう〜」「マニフェスト」だそうです。「年収300万円」というのもトップテンに入っていました。これはエコノミストの森永卓郎氏の著書のタイトルから引用された言葉ですが、年収300万円でも豊かに生活できるノウハウが書かれているとか。こんな本が売れるというのは、世相を反映しているといえます。ちなみに、森永氏はこの本で3,000万円稼いだとか、何か矛盾を感じますね・・・。

 

ちなみに、私にとっての流行語大賞は「あー、しんどかった」です。9月15日、セリーグ優勝を決めた星野前監督の第一声です。勝てば勝つほど、「もし、これで優勝できなかったらどうしよう」という重圧からやっと開放された。この言葉は、星野さんの当時の心中を察するものとして印象強く残っています。

 

「ほしの」が頑張った一年、「にしの」は開業5年目になりました。今月で40歳、結婚10周年、なにかと節目の年となりました。来年も「ほしの」にあやかれるよう頑張りたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

2003年12月 西野 津