新築された家屋等についてのお尋ね 

先日、私の自宅を新築したのですが、税務署から「新築された家屋等についてのお尋ね」とういう書類が送られてきました。これは提出しなければいけないものなのでしょうか。

 

屋等の新築や購入をするとタイトルのような書類が税務署から送付されます。税務署は所有権の移転登記や建築確認申請などから誰がどのような家屋等を取得したかをつかんでいます。この「お尋ね」の記入の仕方によっては家屋等の取得者のみならず支払先等へも新たな課税が生じる恐れもありますので、記入にあたっては注意しなければなりません。そこで、税務署側の「お尋ね」の照会項目ごとの目的と注意事項をまとめてみました。

1.              家屋の使途について

    使途が貸家、店舗、事務所などであればそこから生ずべき収入や事業に係る申告があるか

2.              家屋の敷地について

1)家屋と敷地の所有者が同じ場合

   敷地の前の所有者、取得方法、価額:相続・贈与による取得であればそれぞれ申告がされているか、売買であれば前の所有者のその敷地の譲渡価額の把握

   敷地の仲介者、仲介手数料:仲介業者の手数料収入の把握

         (2)家屋の敷地の所有者が他人の場合

   敷地の所有者、借地の権利金、地代の金額等:敷地の所有者の賃貸等収入額を把握

3.              建築費・購入費用等について

(1)     支払先と支払状況

      販売業者又は工事請負業者:販売業者等の家屋等の売上金額を把握

      登記費用、仲介手数料、引越し費用などの附帯費用:付帯費用の支払先とその売上金額の把握

    (2)資金の調達方法

      預貯金:取引銀行の把握及びそれだけの預金をし得る収入があったかどうか、そうでなければ贈与か隠し所得があるのではないか

      借入金:その返済能力があるかどうか、そうでなければ贈与か隠し所得があるのではないか、また、借入先が家族であれば贈与の認定の問題あり(認定をうけない贈与は本書00.8月号参照)

      資産売却代金:その資産売却の申告がされているかどうか、また売却先はどこか

      贈 与:贈与税の非課税の範囲内か又は贈与税の申告がされているかどうか

      手許現金:それだけの現金を有する収入があったかどうか、そうでなければ贈与か隠し所得があるのではないか

 

(注1) (留意事項)

     家屋等の取得者が支払う費用等の支払先・金額・時期を「お尋ね」により把握し、税務署が支払先への税務調査などでその申告売上との照合をします。

(注2   建築等の資金の出所でつじつまが合わないと、贈与の認定や所得隠しの疑いがあり、税務署からの呼び出しの対象となります。特に、家屋等が共有の場合は資金の提供額と持分が合わないと贈与と認定されますので注意しましょう。