15万円のパソコンの会計処理  

当社で15万円のパソコンを購入しましたが、いく通りかの会計処理があるそうですが、一括費用処理できるでしょうか?

 

 

パソコンなどの備品を購入した場合に、金額がいくら以下であれば費用処理できるのか?よくある質問です。そこで、今回は30万円未満の少額減価償却資産の税務上の取り扱いにつき、おさらいの意味でまとめてみました。

 

T.少額減価償却資産の取得価額の損金(必要経費)算入の特例

1.対象企業

           人: 一定の中小企業者で青色申告者

           人: 資本金1億円以下(大企業の子会社等除く)等で青色申告法人  

2.対象期間

        200341日〜2010331日に取得し、事業の用に供した場合  

3.取得価額

        1個当り30万円未満(事業年度又は年間の取得価額の合計額が300万円を限度)で使途は自由。 

消費税の経理処理を税込経理している場合は消費税込みで、税抜経理の場合は税抜き金額でそれぞれ判定します。  

4.明細書の添付

         申告書に取得価額に関する明細書の添付がある場合に限り適用。  

U.償却資産税との関係について

企業が保有する建物や自動車以外の減価償却資産は原則として償却資産税(価格×1.4)  が課税されます。少額減価償却資産の取得の場合は企業の会計処理によって、償却資産税の課税関係が異なり、法人税・所得税上は一時に費用処理(損金又は必要経費計上)していても、償却資産税がかかる場合があります。償却資産税が非課税となるのは、10万円未満の一時費用処理と一括償却資産(3年均等償却)として会計処理した場合のみです。  

V.他の少額減価償却制度との取り扱い比較

取 得 価 額

一時費用処理

3年均等償却

耐用年数償却

10万円未満

選択可

選択可

選択可

10万円以上20万円未満

選択可

選択可

選択可

20万円以上30万円未満

選択可

選択不可

選択可

  右の枠は、償却資産税の課税関係を課税の場合は「課」、非課税の場合は「非」と表示しています。   

  

W.具体例

    1セット150,000円のパソコン(耐用年数4年、償却率0.625)を期首に購入した場合の比較

償却方法

1年目費用

2年目費用

3年目費用

償却資産税

一時費用処理

150,000

     0

     0

 

3年均等

50,000

50,000

50,000

非課税

耐用年数償却

93,750

35,156

13,183

 

 

上記についてはいずれも税務上の適用要件及び注意事項があります。実施に当っては専門家にご相談の上、ご自身の責任で実行されるようご留意願います。