リースと買取り 

         設備投資をする際、リースと買取り(ローン含む)どちらが有利かという質問を良く受けます。それぞれの

        場合の資金流出額を試算してみました。

 

        (前提条件)

        設備の価額 500万円        法定耐用年数 5年      リース期間 5年 リース料率1.9%

        償却資産税 1.4%  設備の保険料 0.3%     ローンの金利2.5%/年    法人税等率 30%

        超低金利につき、余剰資金の運用益は考慮しない

 

                                            5年間における資金流出額累計

        (単位:千円)

 

自己資金による買取り

ローンによる買取り

リ ー ス

物件代金

5,000

5,000

0

ローン金利

0

375

0

リース料

0

0

5,700

償却資産税

171

171

0

保険料

37

37

0

軽減税額

-1,412

-1,525

-1,710

差引資金流出額

3,796

4,058

3,990

 

        上記事例では、「自己資金による買取り」が一番有利となりますが、リース期間、リース料率、ローン

        金利などの条件によって計算結果は異なります。又、資金的余裕がない場合はローン又はリースによる

        ことになります。基本的にリースの場合は物件の所有権はリース会社にあり、ローンは使用者側にあり

        ます。一般的なリースのローンと比較したメリット、デメリットは以下の通りですが、いずれが有利か

        というのはケースバイケースとなるのではないでしょうか。

 

        リースのメリット

          ・金融機関の借入枠を使わなくて良い

         ・減価償却や償却資産税の申告、損害保険契約の手続きが不要なので事務処理を簡素化できる

         ・リース料は全額損金又は必要経費(税務上の要件必要)なので、資金繰りや損益計算が簡便

         ・陳腐化しやすい設備を短いサイクルで更新できる

 

        リースのデメリット

          ・所有権がない(借り物)ので売却や処分ができない

         ・減価償却による利益調整(特別償却含む)ができない

         ・金利、手数料がリース料に含まれる

         ・リース期間終了後も物件を使用する場合は、再リース料が必要となる