設備投資減税について
中小企業者等が一定の設備投資を行った場合には、通常の減価償却とは別枠で取得価額の30%の特別償却、又は、法人税・所得税額から取得価額の7%の税額控除のいずれかの適用が認められます。一定の設備投資には特殊なものばかりではなく、例えば、今の時期でしたらエアコンを取り付けたとか身近な場合でも適用される場合があります。数ある設備投資減税の中では最も一般的で、金額基準がこの4月に緩和された「中小企業投資促進税制」の概要を以下にご紹介します。
T.対象となる中小企業者等
・青色申告書を提出する、資本金が1億円以下の法人又は従業員1000人以下の個人 等
・物品賃貸業等一定の業種は適用できません。
U.対象となる設備(いずれも新品のものに限る)
1.すべての機械・装置のうち以下の金額基準を満たすもの
・取得:取得価額160万円(平成14年3月以前は230万円)以上
・リース:リース費用総額210万円(平成14年3月以前は300万円)以上
2.特定の9種の「器具・備品」のうち以下の金額基準を満たすもの
(1)電子計算機(2)デジタル複写機(3)メモリー送受信機能付普通紙ファクシミリ
(4)デジタル交換設備(5)デジタルボタン電話設備(6)電子ファイリング設備
(7)マイクロファイル設備(8)ICカード利用設備(9)冷房用叉は暖房用機器
・取得:取得価額100万円(一事業年度の同一種類の複数設備の総額)以上
・リース:リース費用総額140万円(一事業年度の同一種類の複数設備の総額)以上
3.
普通貨物自動車(車両総重量が3.5トン以上のもの)
4.
内航船舶(但し、取得価額の75%が対象)
V.
リースの場合の条件
1.リース契約期間が、「5年以上」かつ「法定耐用年数以下」であること。
※パソコンは耐用年数4年のため、結果的に適用できない。
2.対象設備(1台又は1基)ごとに、リース費用の総額が定められていること。
3.リース料の支払いが均等額で、定期的に支払われること。
W. 適用期間 平成16年3月31日までに取得し、事業の用に供したもの。
X.減税額(特別償却又は税額控除はいずれかの選択適用となります)
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取 得 |
リ ー ス |
特別償却 |
取得価額×30% |
適用不可 |
税額控除 |
取得価額×7% |
リース費用総額×60%×7% |
注1)但し、資本金3000万円超の法人は取得の場合は税額控除の適用はできません。
2)税額控除は法人税額の20%が控除限度額となります。
3)特別償却の不足額又は税額控除のうち控除しきれなかった金額は1年間に限り繰越可能です。
ゆえに、初年度が赤字でも2年目に黒字の可能性があれば申告すれば2年目に控除できます。
Y設 例
取得価額 500万円の機械を取得 法人税率30%として
・特別償却適用の場合の減税額
500万円×30%×30%=45万円
・税額控除適用の場合の減税額
500万円×7% =35万円
※本設例では、特別償却の方が税額控除より減税額が大きいのですが、特別償却は減価償却の先取りで実質は課税の繰延です。一方税額控除は別枠で税額を軽減するので、通算すれば税額控除が有利な場合が多いです。個々の企業の個別事情で結論が変わりますので注意して下さい。
以 上