生命保険を活用した相続対策
相続対策の基本的な考えとして、1.納税資金準備対策 2.財産移転対策 3.財産評価引下対策
4.遺産相続紛争対策、があります。今回は、生命保険を活用した各種相続対策について、ポイント
をまとめてみました。
1.納税資金準備対策
@法人で準備する場合(死亡退職金非課税枠と弔慰金の活用)
ポイント:法人契約で定期保険を導入
(契約者・受取人=法人、被保険者=経営者・役員)
メリット:法人…保険料及び退職金は適正額であれば損金算入できる。
遺族…死亡退職金は、500万円×法定相続人数が非課税となる。
…退職金と弔慰金とを分けることにより、弔慰金は非課税となる。
A個人で準備する場合(生命保険金非課税枠の活用)
ポイント:終身保険が効果的。又、個人・変額年金保険だと、告知書により加入できる。
(契約者=被相続人、受取人=相続人)
メリット:500万円×法定相続人数が非課税となる。
さらに@と組み合わせれば、非課税枠を最大限に活用できる。
2.財産移転対策
ポイント:贈与税の非課税枠(年間110万円)を使って、財産を保険料として子供や孫に贈与する。終身保険が効果的です。
メリット:@相続財産を減らしながら納税資金を確保することができる。
A相続財産が多く相続税率が高い場合には、次の形態で一時所得扱いとした方が税負担が少なくてすむ。(契約者・受取人=相続人、被保険者=被相続人)
《一時所得={(収入金額−支払保険料)−特別控除(50万円)×1/2}》
3.財産評価引下対策
@生命保険を活用する場合(相続税法第26条の活用)
ポイント:現金および預貯金等を生命保険に変え「生命保険契約に関する権利」
を相続する。
短期払込で長期契約の養老保険が効果的。被保険者は、相続人(一般的に若い)なので加入しやすい。(契約者・受取人=被相続人、被保険者=相続人)
→相続発生後(契約者・受取人とも相続人に変更)
メリット:相続発生時に相続税法第26条により、相続財産の評価を下げることができる。
《一時払い契約の場合の評価額は…一時払い保険料相当額》
《一時払い契約以外の場合の評価額は…払込保険料合計額×70%
−保険金額×2%》
※平成18年4月1日の改正により、生命保険契約に関する権利は「解約返戻金相当額」となりました。
A個人年金保険を活用する場合(相続税法第24条の活用)
ポイント:現金および預貯金等を個人年金保険に変え「生命保険契約に関する権利」
または「定期金に関する権利」を相続する。
(契約者・受取人=被相続人、被保険者=相続人)
→相続発生後(契約者・受取人とも相続人に変更)
メリット:(年金受取開始前)
相続発生時に相続税法第26条により、相続財産の評価を下げることができる。
(年金受取開始後)
相続発生時に相続税法第24条により、相続財産の評価を下げることができる。
4.遺産相続紛争対策
生命保険の受取人を指定することにより、遺言と同等の効果を得ることが可能となり、遺産配分のバランスを図ることができる。又、代償分割の交付資金としても活用できる。
上記については税務上の適用要件及び注意事項があります。実施に当っては専門家にご相談の上、ご自身の責任で実行されるようご留意願います。当事務所では生命保険の無料既契約診断サービスを随時実施しておりますので、お気軽にお問い合わせ願います。
西 野 会 計 事 務 所
TEL 06−6774−8282
FAX 06−6774−8281
E-mail wataru-n@mwc.biglobe.ne.jp