変額年金保険

1.変額年金保険の概要

・従来からある個人年金保険は、契約時に将来受け取る年金額が確定しているので「定額制」と呼ばれているのに対し、変額年金保険は特別勘定(ファンド)で運用されるため、その実績によって、積立金、解約返戻金、年金原資、死亡保険金が増減します。株式や外貨資産で運用する結果、高い収益が得られることもあれば、逆に受取額が保険料総額を下回ることもあります。

運用期間中に万一のことがあった場合は、死亡時の積立金額が遺族に支払われます。この場合、死亡保険金額は仮に運用がマイナスになっていた場合でも払込保険料相当額は最低保証されるタイプが一般的なようです。また、運用が好調な場合に死亡保険金の最低保証がアップする商品もあります。

・このように、変額年金保険は一言でいえば「投資信託に保険がくっついた商品」と言えるでしょう。昨年10月から銀行窓販解禁以来注目されていましたが、日本ではバブル期に生保が銀行ローンと組み合わせて変額保険を大量販売し、バブル崩壊で顧客が損失を被り社会問題化した経緯があります。ただ、低金利下でより有利な資産運用を求める傾向が強まっているほか、各社も魅力ある商品を投入しており、金利上昇局面などで利回りの向上が見込め、インフレにも強いとされる変額年金保険が再びクローズアップされています。

・年金という将来の原資ですので、目先の運用経過に一喜一憂せず、10年単位での長い目で運用することが大切ではないでしょうか。そういう意味では、歴史的な今の相場は注目すべき時期だと思います。

 

2.投資信託との比較

 

 

変額年金保険

投資信託

購入手数料

不 要

通常3%(商品により異なる)

解約手数料

払込より一定期間内はかかる

原則不要

生命保険料控除

対 象

対象外

運用益課税

引き出し時まで繰延

収益分配金には一律20%源泉課税

解約時課税

(一括)一時所得(年金)雑所得

収益に対して20%の源泉分離課税

死亡時の保障

時価、払込額が最低保障の商品多い

時 価

相続税

非課税あり(500万円×相続人数)

全額課税

 

 

3.相続対策としての活用

 (1)争族対策

     変額年金の死亡給付金は一般の生命保険と同様に受取人を指定することが出来ます。従って被相続人の遺志を反映させることができ、遺言と同様に争いを防止する効果が期待できます。

 (2)評価引下げ対策

  @変額年金は被保険者が最高80歳まで、又、生命保険よりも加入が容易なため、年金受給までの死亡給付金に対しては、相続税の非課税枠(500万円×相続人数)を適用することができますので、預金などからシフトすることによる評価引下げ効果が期待できます。

A年金受給中に年金受取人が死亡した場合には「年金受給権」の相続となり、残存期間に応じて評価引下げ効果が期待できます。

  B贈与税の非課税枠を使って長年に渡り親から子へ現金を贈与し、それを原資に子が変額年金に加入すれば、親の相続財産の移転と将来の相続税の納税資金を確保することができます。この方法は、単純に現金で贈与するよりも、子に無駄使いさせない予防効果もあります。  

 当事務所においても各種変額年金保険は取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせ願います。

 上記はあくまで現行税制に基づいての記載であり、いずれも税務上の適用要件及び注意事項があります。実施に当っては専門家にご相談の上、ご自身の責任で実行されるようご留意願います。

                      

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