今年限りの住宅・土地税制

 

地価下落対策や住宅の取得促進などの景気対策として導入された一連の住宅・土地に関する税制の優遇措置が今年限りで期限切れになります。経済界などから延長の要望が出されていますので一部延長される可能性はあるものの、あくまでこれらは時限立法のため、制度がそのまま延長されるか縮小されるか廃止されるかは未定です。そこで、一連の住宅・土地税制で今のところ今年限りの主なものを以下にまとめてみました。土地の譲渡や住宅の取得を検討されている方は必見です。

 1.住宅ローン控除

    10年以上のローンを組んで住宅を取得した場合に、一定の要件に基づき、ローン残高に応じて所得税の一部が

  減税される制度です。それが次のように大幅に縮小されます。

  平成15年中居住  ローン最高額:5千万円  控除期間:10年間  控除額年最高: 50万円

  平成16年中居住  ローン最高額:3千万円  控除期間: 6年間  控除額年最高: 25万円

    ※今のところ、適用期限は平成16年までとなっております。

  <試    算>

  (前提条件)給与年収700万円のサラリーマンで家族は妻(年収103万円)と中学生以下の子2人

             ローン 3000万円  金利年3%固定  元利均等返済  期間20年

  (減税額の比較)平成15年中の居住  10年間の減税総額  約232万円

                  平成16年中の居住   6年間の減税総額  約137万円     差額95万円

 

2.居住用財産の買換の場合の譲渡損失の繰越控除

   住宅を買換えた場合に発生した譲渡損を、一定の要件に基づき、その譲渡損を翌年以降3年間所得から控除する

  という制度です。主な要件としては、@譲渡する住宅は所有期間5年超 A買換住宅は翌年までに取得し居住する

  こと B譲渡住宅及び買換住宅はいずれも住宅ローンがあること  など、条件は厳しくなっています。この制度

  は、上の住宅ローン控除と併用適用できますが、平成15年をもって期限切れとなります。

 

3.事業用資産の買換特例(個人21号、法人22号)

    所有期間10年超の事業用資産(店舗、事務所、工場、アパート、マンション、駐車場、農地など)を譲渡し、

  翌年末(翌期末)までに事業用資産を取得した場合に、一定の要件に基づき、譲渡益の最高80%の課税を繰延する

  という制度です。買換取得資産は事業用であれば、土地・建物等の他機械装置でも適用可能となります。これは、

  譲渡資産及び買換資産共に国内にあるものであれば地域に関係なく適用できますので、買換特例の中でも @不動

  産の収益力向上  A相続税対策 B遺産分割対策など、応用範囲が広く使い勝手のいい制度ですが、平成15年を

  もって期限切れとなります。 但し、既成市街地等の内から外への買換(1号買換)など他の事業用資産の買換特例

  は、平成18年まで期限は残っています。

 

4.住宅の買換特例

    所有期間が10年を超える住宅を譲渡し、買換えた場合に、一定の要件に基づき、買換住宅の取得価額までの

  譲渡益の課税を繰延べる制度です。平成15年をもって期限切れとなります。

 

5.土地等譲渡益の税率軽減

   ・個人の一般長期譲渡   

       平成15年まで  一律26% 

       平成16年以降  譲渡所得 4000万円以下の部分:26%  4000万円超の部分:32.5%

   ・法人の土地譲渡 平成16年以降  所有期間5年以内  法人税とは別に譲渡益の10%

      (平成15年まで適用は停止中)  所有期間5年超   法人税とは別に譲渡益の 5%

     

上記はあくまで現行税制に基づいての記載であり、いずれも税務上の適用要件及び注意事項があります。実施に当っては専門家にご相談の上、ご自身の責任で実行されるようご留意願います。                           

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