住宅ローン減税

 

2004(平成16)年度の税制改正法案が3月末に参議院本会議において可決・成立しました。原則は4月1日からの施行となりますが、一部1月に遡って施行されるものもあります。その代表的なものとして住宅ローン減税があります。この制度は、昨年の減税幅を今年1年延長し、2005年から2008年まで段階的に縮小される予定です。以下、概要についてまとめてみました。

 

1.適用要件

  @住宅の新築や購入、増改築をしてから6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。

  Aこの特別控除を受ける年の合計所得金額が、3千万円以下であること。

  B新築や購入、増改築をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住用に使用するものであること。

  C住宅の新築や購入、増改築のための10年以上にわたり分割して返済する方法になっている一定の借入金等(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます)があること。

 

2.減税額

    年末の住宅借入金等の残高に対して、以下の控除率の割合で所得税額(住民税には適用はありません)から控除することができます。ただし、対象となる借入金等は、居住の用に供している住宅の新築や購入、増改築の費用に相当する金額(一定の敷地の購入費用を含みます)が限度です。

 

 

 

居住開始年

住宅借入金等の年末残高の限度額

控 除 率

最 大 減 税 額

(10年間の総額)

1〜6年目

7年目

8年目

9年目

10年目

2003年

5,000万円

1%

1%

1%

1%

1%

500万円

2004年

5,000万円

1%

1%

1%

1%

1%

500万円

2005年

4,000万円

1%

1%

1%

0.5%

0.5%

360万円

2006年

3,000万円

1%

1%

0.5%

0.5%

0.5%

255万円

2007年

2,500万円

1%

0.5%

0.5%

0.5%

0.5%

200万円

2008年

2,000万円

1%

0.5%

0.5%

0.5%

0.5%

160万円

 

 

         

 

3.居住年別所得税減税総額の推移

        (前提条件)当初借入金:3,000万円(借入期間30年、元利均等返済方式、金利3%固定)

                  給与年収:600万円、家族:専業主婦と子供15歳以下二人

        2004年居住 → 209万円、2005年居住 → 190万円 、2006年居住 → 181万円

        2007年居住 → 173万円 、2008年居住 → 160万円

     このように、取得等した住宅に居住する年によって、減税総額が縮小していきます。これは、年収が多ければ多いほど、又、借入金額等が多くなればなるほど、縮小幅が大きくなっていき ますので、減税面からは、早く取得したほど有利となります。  

上記はあくまで現行税制に基づいての記載であり、いずれも税務上の詳細な適用要件及び注意事項があります。実施に当っては専門家にご相談の上、ご自身の責任で実行されるようご留意願います。

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