2002.10.17

山を滑る勉強会
救急法part1 心肺蘇生法
日にち :2002年7月8日(月) PM6:30〜
場 所 :山形市中央公民館

山形にある「七横会」というバックカントリーを愛する”粋”な会が主催となり、
”道具(スキー、スノーボード、テレマーク)は何であれ、山を滑るものとして何が必要であるかを考え、
必要な事柄をお互いに勉強しあおう”という目的で勉強会が行われています。

『「山にかぎらず私達が生きていく上では、生死の一刻を争うような状況に遭遇する可能性があります。
そこであなたが、医療従事者でなくとも初期救急ができ、命を救えたならなんとすばらしいことでしょう...。』


と言うことで、今回の救急法の講習会はその一環であり、救命手当の基礎実技として、主に心肺蘇生法の手順を学んだ。
前回までは、雪崩に遭う > ビーコン捜索 > 救出 までの手順を勉強。
今回は救出後
呼吸停止、心臓停止の状態を想定。直ちに処置出来るように、救急法の大切さを理解し、
適切に手際よく実行するために一連の流れを修得するのが目的だ。
●講師:渡部 聡 氏(山形消防署・救命救急師)の自己紹介から始まり、次に20分程度のビデオを観る。
ビデオでは、倒れて(呼吸停止、心臓停止の状態)から救急車が到着するまで心肺蘇生法を行い助かった事例をあげ、
何故心肺蘇生法をしなければならないかを分析。

>意識障害を起こすと、あごや舌の筋肉がゆるみ、舌の付け根がのどに落ち込んで(舌根沈下)気道を狭くし、
呼吸が困難となり、窒息状態となる。

>人間の脳は酸素が供給されなくなると、3分で壊死が始まり、このままでは死を迎えることになる。
そこで、人工呼吸でをすることにより助かる可能性がでてくる訳だが、
傷病者の呼吸が停止してから人工呼吸を開始するまでの時間によって蘇生率も大幅に違う。
グラフによると、呼吸停止から2分後に人工呼吸を開始すると蘇生率90%でほぼ蘇生。
しかし、呼吸停止から人工呼吸開始までの時間が3分で75%、4分で50%、5分で25%、10分でほぼ0%・・・
と、経てば経つほど蘇生率は低くなる。

>武田氏の話によると、119番の連絡から現場に到着するまでの時間は約6分だそうだ。
救急車が到着するまで何もしないと蘇生率はかなり低いことになる....。
そのためには、呼吸停止では、寸秒を争って人工呼吸をしなければならない。

心肺蘇生法の説明を受けた後は実地手技。傷病者を十分に観察・判断し、適切な手順に従って手当を行う必要がある。
とりあえず今回は下記のような内容で参加者全員一人一人行われた。

意識を調べる.............. 「もしも〜し。」と耳元で肩を叩きながら、三段階に徐々に強く。
助けを呼ぶ............... 「救急車お願いします!」と近くにいる人に助けを求める。
気道の確保 .............. 左手を額に当て、右手であご先を持ち上げる。
呼吸を調べる.............. 傷病者が呼吸しているか確認する。
人工呼吸 ............... 「呼吸なし。人工呼吸」ゆっくりと2回息を吹き込む
循環のサインを調べる......... 呼吸、咳、、体に動きがあるか。無い場合「体動ナシ」
心臓マッサージ ............ 肘を真っ直ぐ伸ばし体重をかけて15回
人工呼吸・循環のサインを調べる.... ゆっくりと2回息を吹き込み、体動があるか確認>7.8を繰り返す。
回復体位 息を吹き返したら回復体位(側臥位)をとる。
ダミーちゃん 「呼吸ナシ!」 「心臓マッサージ。1.2.3.4...


●予定した時間よりも早く終わったので、搬送方法など教えていただきました。
腕を使って二人で運ぶ。 一人でも大丈夫。


おまけ1
 どうしても口対口で人工呼吸に抵抗がある場合や、出血などして感染などの不安がある場合は、
 携帯型の人工呼吸マスクが便利。

一方向弁付呼気吹き込みなので
安心して人工呼吸が出来る。

タバコの大きさと比較すると、小さいのがわかります。

おまけ2
今回の講習(約3時間)を受講して手続きをしたら、後日山形市消防本部発行の「普通救命講習修了証」というカードを貰った。
裏面には『救命技能を忘れることなく、維持向上させるため反復して講習を受けて下さい・・・』と書かれてあった。
講習終了したから終わりではなく、これが始まりなのだ。

表) 裏)


このページの救急法については、あくまでも一部分の様子であって、講習会の全てではありません。
山勉については「七横会」のサイトをご覧下さい。

また、救急法や心肺蘇生法については、各消防署、または自治体、他団体などでも講習会が開かれているようです。
興味のある方はそちらに問い合わせてみては如何でしょうか?

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