Fool's Paradise
〜苦悩と自己啓発の日々(苦笑)〜

-2.lesson-

約束の土曜日。今日は仕事が昼までだから、一度帰ってご飯を食べて、

2時に駅前で待ち合わせ。

だいたい1時間くらいという話だったけど・・・。

どんな人がいるのかな。友達に慣れそうな人達だったらいいな。


職場と自宅の往復で過ぎていく毎日に、うんざりしていた。

プライベートで遊び歩く友達も、ここにはいない。

学生時代の友人は、お互い遠くへ就職して、滅多に会えなくなってしまった。

同じ職場の人たちはほとんど地元出身で、家族と同居だったり、家が離れていたり、

やっぱり、一緒に遊べる相手ではない。

一人でどこかへ出かけるのも、なんだかつまらない。

楽しい体験は誰かと共有したいタイプだからね・・・。

あーあ。友達って、どこでつくればいいんだ?

 

ちょうどそんなことを思い始めていた頃だったから、とにかく

「仕事」を離れたところで、あたらしい人間関係の輪に入りたかった。

それが後であんなことになるとも、知らずに。


着いた所は、小さな貸しビルの一室。机がいくつか、と、本棚が並んでいる。

奥のほうの机は、両サイドをしきりで区切られていて、

みんな、何かビデオをみている。

手前のテーブルでは、何組かの人たちが向かい合って談話中だ。

本当に、若い人たちばかりだ。

でも、何をしているんだろう・・・よくわからない。

イメージしていたサークルとは、なんだか違うよな。

 

私は、紹介者のMさんとテーブルをはさんで座った。

活動の概要は、おおよそこうだ。

まず、予約時間に来室し、ビデオによる講義を受ける。

そしてビデオ講義の視聴が終わった後で、そのサークル常駐のインストラクターから

講義内容についての補足説明をうけたり、疑問点などについての質問をし、

理解を深めていくという形式で、全15回のビデオ学習1クールが終わる。

大学の授業みたいだな。 

講義の内容は、毎回、政治のこと、歴史のこと、世界情勢のこと、

宗教関連のこと、と 多岐にわたるらしい。

難しそうだなあ・・・そんな話についていけるのかあ?

ま、でも同年代の人たちがたくさんいるし、そのうち楽しいこともあるかな?


そうして、サークル通いが始まった。

だいたい自由な時間で予約できるんだけど、

「はじめのうちは、なるべく間を置かない方がいいから」ということで、

水曜日の夜、そして土・日のどちらかと、週に2〜3回ペースで、通った。

15回の講義ビデオ以外に、映画を鑑賞する回も時々あった。

そして講義は、実際の講義よろしく

ビデオの中の講師が、板書しながら説明を進めていく。

話の内容は、理路整然としている。

見終わってからの補足説明がなくても、内容についてはある程度理解できる。

・・・でも、なにか釈然としないんだなあ。

なぜ、聖書の話ばかりなんだろう。

5回目くらいだから、まだ他のテーマの講義は出てこないのかな。

しかし、よりによって聖書の解釈の講義か・・・。

世界中のいろいろな神話には興味あるし聞きかじりの知識もそれなりにあるけど、

聖書系の信仰は、いまひとつ、性にあわないんだよな。

解釈だけなら、まだ、おもしろいトピックスとして聞けるけど

どうやら講師もインストラクターもクリスチャンみたいで

信仰上の価値観を押し付けがましく話すきらいがある。

理屈はわかるけど、私はそんなの信じてないんだって。

このシリーズ、早く終わってくれないかな・・・・・。ふう。

 

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