そ ら

 

ぼんやりと空を眺めるのがすきだ。

毎日、仕事が終わって家に帰る途中、てくてくと夜道を歩きながら

気がつくといつも空を見上げている。

月のきれいな夜も、星の輝く夜も、厚い雲で空が覆われている夜も、

さすがに雨の降る日はやらないが

いろんなことを考えていたり、何も考えなかったりしながら

いつもいつも、ぼーんやりと空を見上げ、歩いている。

 

そうやっていつもわたしは何をみているんだろう。

無限の宇宙を背後に隠しつつ、そこには丸い大きな天窓が

広がっているだけだ。

他には何もみえない。確かに、何もみえていない。

あの時間と空間を越えた向こうに、何かがあるのだろうか。

いったい何があるのだろうか。

・・・そんなことを考えながら、また空を見上げている。

 


もどる