自らの命を絶つこと

 

死ぬよりつらいことというものが、確かに世の中にはあるようだ。

しかし、いざ死ぬとなると、いろいろ厄介なことが待ち構えている。

 

最近はインターネットで便利な薬物なども、入手できるらしいし、

そういった方法での自殺者がニュースで話題になったりもした。

また、昔ながらの方法も相変わらず使われているようだ。

しかし、アナタは死んでしまえばそれで終わりだけれど、

アナタの後始末をする(させられる)人は、きっと大変だろうなあと

むしろそっちの方を私は心配してしまうよ。

天寿を全うしない死に顔は、恐ろしいものだそうだからね。

第一発見者になる人には、お気の毒に、というところだ。

特に、飛び降り・轢死・溺死などはひさんだね。

こういう醜い姿を人目にさらして、しかも、その後始末を

他者の手に委ねるだなんて、私には考えられないこと。

そう、最初にあげたネット取引で入手した薬を使うことだって

薬をくれた相手を 『犯罪者』に仕立て上げて、

自分自身を殺した己の罪を、身代わりに償ってもらうのだから

結局は後始末を他人にしてもらっているのと同じ。

一体、どういう神経をしていたら、そんなみっともないマネができるのだ?

そんなことは私の美意識が到底許さない。

まあね、死にたい人がどういう手段を選ぼうと、私には関係ないといえば

ないのだけれど。

 

苦しまずに確実に死ぬ方法・・・知っていますよ。

でもね、アナタには教えません。

生きる苦しみを放棄し、安易な解決法を選ぶ弱者にも、

死を選ぶ意外に問題解決の方法を見出せない愚か者にも、

あえて私が救いの手を差し伸べる義理はないだろう。

そうそう、それに、自分は何の痛みも感じる必要がなく

ただいたずらに他人の命を犠牲にする輩にも、

協力したくはないからね。

はなからアナタは私をアテにしてもいないのだろう?

 

私が自ら死を選ぶこと?・・・ふふ。そんなこと、

あるわけがないだろう。

この世界は実に、愉快な刺激に満ち溢れている。

むざむざその愉しみを捨てることもない。

 

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