×月×日

本当の闇の色を、久しぶりにみた。

雲ひとつない、晴れた夜の空。

地上の光の洪水も、今日は天に届かない。

冬の星と、クリーム色のすこし痩せた月が

ぽつんとのっかっている。

キンと張りつめた空気が、それでも

どこか暖かく優しい。

体はここに残したまま、

真っ暗な空に溶け込みそうな感覚で

しばらく、空をながめていた。

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