まっきがまだ現役で医療の現場にいた頃、訓練風景を見ていた
患者さんの付き添いの方に何度か言われたことがある。
先生たちも大変だなぁ。こんな何も出来ないのを相手にして、
よくそうやって怒りもしねえで教えられるなあ。
まったく、よほど気が長くなくちゃあ勤まらねえなぁ。
いえいえ。私はこうみえてけっこう短気なほうですの。
辛抱強くもないし、わがまま一杯だし、
あなたが思うような優しいよくできた娘さんじゃございませんことよ(苦笑)
どんなに覚えが悪い人でも、わがままでなかなか訓練の出来ない人でも、
こうして気長に構えていられるのは、これが仕事だからです。
同じことを何度繰り返してもなかなか覚えることが出来なかったり、
ごく簡単なことでも理解するのに時間がかかったり、
少し動いただけで体が疲れてしまったり、
相手に合わせて感情を抑制することができなかったり、
それはたんにその人の性格ややる気の問題ではなくて、
病気のせいでそうなってしまっているのだと知っているから
それに対応する専門家として、こうやって「待ち」の構えを作っている
だけなのです。それが必要なことだから。
「先生みたいな人が孫のヨメにきてくれたらいいんだがなぁ」と
付き添いのおばあちゃんにさりげなくアプローチされたこともあったが、
それはやんわりとお断りしておいた。
もしも本当にわたしを「孫のヨメ」にもらってたら、あのばあちゃん
きっと腰ぬかしてたぞー(笑)
学生のときに聞いた教官の言葉で、今でも自分への戒めにしていることがある。
「あなた方は医療のプロになるのだから、受け取る報酬分の責任を
どんなことがあっても果たさなければいけない」ということ。
たとえどんな患者さんがきても、診療拒否は許されない。
個人の感情に流されて、提供するサービスに差がついてはいけない。
一人一人に対して、自分のできる最善の医療を提供すること。
それがプロの厳しさなのだと教わった。
誰にとって最善か?もちろん担当する一人一人の患者さん達。
そしてそのご家族であり、彼らを取り巻く周囲の人々であり・・・。
接客サービス業では、「スマイル¥0」という言葉があるけれど、
さしづめ、まっきの笑顔と優しさは営業用につき、
実は料金に込みになっております♪・・・ってとこですかね。
そりゃあんた、タダで誰にでも優しくなんかしてあげるほど、私ゃ
できた人間じゃございませんから?
その代わり、金もらって働く以上は、どんな相手にも崩れない
カンペキなスマイル。それがプロってもんでしょ。
私らのような、自分の腕を売って飯くってる者には、それが鉄則だと
まっきは思うのです。
こんなことばっかり言ってると、何かまっきって
どんどんヤなヤツになっていくよなぁ(笑)
はい、私は腹黒です。優しさもキビシさも、すべて商品。ただではさしあげません(^ー^)