ニャン太郎 ねこの2005年登頂記

(Update:2005/08/21)

● 雨天強行!!結果は・・・。
・前日まで。
 今年はほぼ平年通りの梅雨明け。但し、雪崩による補修工事の関係で7月27日から
 8月一杯にかけてスバルライン(河口湖口側)のマイカー規制が行われるとの情報。
 本来なら7月末か8月の頭に登頂を計画するのだが、やむを得ず1週間前倒しでの
 計画を立てた。曇りがちな日々が続き、週末は”雨”の予報。。。(-_-;)
 富士宮口からの登頂も考えたが、仕事の日程的に問題あり。体力的にもほとんど準備も
 していなかったので”登頂中止”も考えたが、昨年登れなかった雪辱を晴らしたい
 気持ちもあり何とも複雑な気分。。。
・現地へ。
 当日は、曇り空ながらも時折日の差すまずまずの天気。取りあえず、5合目まで
 向かってみることに。(11:30)途中、谷村PAに立ち寄り山かけソバを食べる。(13:30)
 いつぞやの登山時と同じく、スバルラインは深い霧に覆われ、時折小雨交じり。
 「5合目まで行けば・・・」と楽観していたのだが、5合目に着いてみると完璧な
 霧雨。傘を差さなければならないほどの雨量。「登山開始までにやむかな?」と
 車の中で雲行きを見つめる。(14:30)
・5合目。
 霧雨の中、神社に参拝。天候の回復を必至にお願いする。
 登ってくるだけだったら別に雨でも・・・とは思いつつも、強風や落雷などが怖い。
 なんとか登山の時間までに落ち着いた天候になって欲しいと拝み倒す。
 暑中見舞い用のハガキを買いに郵便局へ立ち寄りしばし考える。
 「山頂までたどり着かずに引き返すことになったら、ハガキが無駄に・・・」と
 思ったのだが、それならそれで5合目郵便局に投函すればいいかと考え直し
 ハガキを購入。今年は洒落た絵柄のハガキが無く、やむを得ず普通の官製ハガキを
 購入。5合目の管理事務所に立ち寄り、スタンプを押してそれらしくしてみる。
 車に戻り宛名張り。ラジオを聞きながら時間をつぶす。
・登頂開始〜6合目。(2,305m〜2,390m)
 相変わらず霧雨模様。風が無く大気の状態は安定している模様で、ラジオを
 聞いていた限りでは雷らしきノイズも1度も入らなかった。
 2年前は下山時に雨に降られたが、今回は登山前から雨。強行か中止か・・・。
 雨に濡れながらの登山はとても不快なものになると言うことは想像するに容易いが
 去年は計画自体が無くなったことを思うと「折角ここまで来たのに」という
 無念な気持ちが強くなり、結局「不快でも登ってみる」を決断。
 ザックのカバーを入念に付け合羽に身を包み登頂を開始する。(18:30)
 霧雨に加え濃い霧まで立ちこめている。無理はしたくないので、途中で引き返す
 ことも考えつつ、視界の悪い中を黙々と歩を進める。不安で一杯。
 しかし、安全指導センターに着く頃になると”霧雨”と言うよりは”霧”になり
 次第に視界が開けてきた。(19:20)
・6合目〜7合目。(2,390m〜2,700m)
 雨が止み星空が顔を覗かせた。山頂へと続く山小屋群の明かりもハッキリと見える。
 登山開始から約1時間。5合目では想像も出来なかったほど穏やかな天気。
 ようやくお祈りの効果が出たのか。(^^ゞ 合羽を脱ぎ、しばし乾かす。
 自然と顔が歪んで来た。もし”中止”を決めていたとしたら・・・。
 多少の不快を覚悟して、取りあえず行けるところまでとの決断した自分に拍手。
 雨具を片付けると、心も足取りも軽やかに再び山頂を目指す。(19:30)
 人影もまばらで、風もなく寒さもない。コンディションとしては最高に近い。
 単調な砂利道を踏みしめる音だけが響く。急いでいる訳でもないのでゆっくりと
 歩を進めていると、色々なことが頭の中を駆け巡る。そう言えば前回の登山時も
 この辺りで泣いたなぁ〜なんて思い出しながら今年もまた泣く。(T_T)
 すっかり恒例行事になってしまった模様。7合目には20:35に到着。
 前回の登山を意識している訳ではないのだが、ほぼ同じ時刻。
・7合目〜8合目。(2,700m〜3,000m)
 山小屋が続くこの区間。岩場をよじ登りながら山小屋に着くたびに一休み。
 毎回焼き印を押して貰っている”鳥居荘”に着いたのは21:45。
 焼き印だけ押して貰い、その次の山小屋”東洋館”に到着。(22:10)
 ここでゆっくりと過ごす。山小屋のお兄ちゃん達と雑談。「山小屋にいると情報が
 全然入ってこない」と話していたので、ちょうど持っていたスポーツ新聞を
 あげると大喜び。前日、東京で起こった地震の話題なんかがあって驚いてました。
 結局50分ほど長居をする。(23:00)
・8合目〜本8合目。(3,000m〜3,360m)
 東洋館を後にすると、またしばらく山小屋が無くなる。上方に見える明かりを
 目指しひたすら歩く。帰りの体力を温存しているため、他の登山客が次々と
 追い越していくが全く意に介さず、ひたすらマイペースで登り続ける。
 前にも書いたと思うが、やっぱりツアーのペースは速い。体力がある人は
 あのペースでも問題ないのかも知れないが、明らかにこの時点で疲労を
 見せている人も見受けられる。「帰りが辛くなるよ〜」と心の中で思ってた。
 白雲荘には0:40に到着。上空を見上げると流れ星が見えた。20分ほど流れ星を
 探し続ける。結構沢山の流れ星が見えたが、願い事を言う前に全て消えた。(^^ゞ
 本8合目の富士山ホテルには1:45に到着。
・本8合目〜河口湖口山頂。(3,360m〜3,7??m)
 お気に入りの展望台に向かってみると・・・立派なトイレになっていた。
 やはり、トイレがきれいな方が集客率も良いのでしょう。。。
 休憩しようと思っていたのに当てが外れ、仕方なく素通りし8合目トモエ館で
 小休止。(1:55)御来光ツアーと思われる沢山の登山客が集まっているのを
 横目に隣接する”江戸屋”のベンチに腰を下ろす。風もなく寒さもない。
 江戸屋に宿泊していた親子が出てきて、「雨が降っていない!」と大喜び
 している。話を聞くと、前日に登って江戸屋に泊まりこの後山頂を目指す
 予定だそうだが、前日は大雨の中ここまで上がってきたとのこと。
 それに比べたら、6合目までは雨に降られていたことを思い出した。
 それくらい順調に登ってきたので、すっかり雨のことを忘れていた。
 軽く食事を取ってからツアー客の列に紛れ込む。ここからは砂走り口の
 登山道と一緒になるため”人間渋滞”が始まる。(2:25)
 渋滞中は”マイペース”に近いので、列に沿って歩を進めていると、
 見覚えのある鳥居とこま犬が徐々に大きく見えてくる。
 自身8回目となる登頂の瞬間、また涙が出そうになったが、人が多いので
 必死でこらえた。(^^ゞ (3:55)
・ご来光。
 いつものブルドーザーの前に腰を下ろし、お湯を沸かす。
 隣にいるアメリカ人らしき3人組が寒そうにしている。Tシャツに短パンでは
 さすがに寒かろうに・・・と思いつつ、出来上がったカップラーメンを頬張る。
 隣の3人組の視線が痛い。こちらを見ながら何か言っているが、聞こえないふり。。。
 食べ終えて荷をまとめ、大日岳に向かう。火口を眺めると氷らしきものも見えるが
 天気はベストに近い状態。4:46。雲の下から御来光が見える。今までに
 見たことのない様な、まさに”雲の下”から上がり出す太陽。
 御来光
 太陽が昇りきるまでの数分間。恍惚のひとときを堪能する。
 ふと気がつくと、「御来光ツアー」の面々が下山を開始するべく集まっている。
 折角頂上まで来て、お鉢巡りをしないとは・・・。でも、今回はそれでも良いかと
 思えてしまうほど、素晴らしい御来光を拝めました。\(^o^)/
・お鉢巡り。
 火口側から吹き上げてくる強風もほとんど無く、朝焼けに照らされた岩肌の
 眩しさに目を細めながらNTT・郵便局方面へ歩を進める。
 雲の切れ間から所々に樹海の緑を見下ろせる事は出来るが、大半は雲に覆われて
 一面に広がる景色は雲の白と富士山の山肌の茶色と爽快に晴れた空の青。
 郵便局は既に開いており、わりと空いていた。5合目から持参したハガキに
 山頂スタンプを次々と捺印し、乾かす間もなく郵便局員に手渡して目指すは
 最高地点の富士山測候所跡。今は無人となってしまった測候所へ向かう。
 山頂
・山頂(3776m)。
 慣れた足取りで、富士山で最もきつい(と勝手に思っている)”馬の背”を登り切ると
 最高地点に到着。本当に天気が良く、火口の周りを巡る”お鉢が”一望出来る。
 測候所の裏側が見渡せる展望台の方へ行ってみると、雲の上にうっすらと浮かぶ”影富士”が。
 影富士
 普段は見られないような景色を十分堪能し、再びお鉢を巡って山小屋を目指す。
 足取りも軽やか。山頂でこれほどのんびりと穏やかな気分になれたのは、2001年の
 登山以来かな?4年ぶりのお天気に大満足♪
・下山。
 7:00、下山開始。下山時は砂埃が舞うので、コンタクトのねこにとっては
 目にごみが入るのをとても気にしていたのだが、前日までの雨のせいか、
 さほど気にならず、また風も無い穏やかな天気だったせいもあり、持参した
 ゴーグルもかけずにのんびりと歩き出す。
 須走口との分岐点最後となる”須走口江戸屋”まで1時間。毎度の事ではあるが、
 登りのあの苦労はなんだったんだろう?とちょっと寂しくなるひと時。。。
 ここのトイレも改装されて綺麗になっていた。ただ、利用料も200円と値上げされていたが
 下山道のトイレはここを逃すと後2時間は無いので、「いい商売だな」とは思いつつ
 トイレを済ませて下山する。下山道の分岐点で2組のパーティーと会話する。
 1組は家族で登山した4人組み。お母さんとお姉ちゃんが高山病で調子が悪くなった
 様子で、お姉ちゃんは回復していたものの、お母さんのほうはまだ大分具合が悪そう。
 持っていた飴や水をお分けして別れる。もう一組は山小屋を探しているおじさん。
 登山中に「元祖室」に荷物を預けてから登ったので、それを取りに行くとの事。
 分岐から唯一「登り」になっている道を教える。「下山道は登山道と違うので、
 一度登山道へ迂回する必要がありますよ」と教えてあげると、「何だよ〜」と
 ご立腹のご様子。笑顔で見送りながらも、「そんなの初めから調べておけよ!」と
 ねこも内心ご立腹。無計画で登るのはやめましょう。(−_−;)
 6合目に着いたのは10:25.そこからは登りと同じ道を歩くが、途中地面が硬い
 ところがあり一度尻餅をつく。疲れと安堵感から来る油断だと思うけど、
 ちょっと情けなかったな・・・。もう年なのかな?(≧∇≦)
 5合目には10:55に到着。今回も無事に行って来れました♪
・総評。
 登山可否の決断に頭を悩ませたけれど、結果的にはとても良いコンディションの中、
 快適な散歩となりました。後からなら言えることだけど「終わり良ければ全て良し」。
 山の天気はわかりません。気圧とか等圧線による天候の把握が出来る様になると
 良いのかな?気象予報士の免許でも取ろうかと、真剣に考えました。(≧∇≦)
 やっぱり、富士登山は天気が良いときを選択することをお奨めします。
 ・・・こればっかりは、「運」かも知れませんが。。。

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