ニャン太郎 ねこの2011年登頂記

(Update:2011/08/09)

● 初の”登頂断念”。。。
・前日まで。
 昨年にも増して早々の梅雨明けを迎えたものの、7月後半になるにつれて
    「戻り梅雨」のような雰囲気。台風も迷走しながら日本に向かってくるなど
    天候の問題が一番大きく、1週間前の第1候補は朝の雨を見て”中止”を
    決定したものの、お昼前に”強行?”とも思わせる微妙な天気。
    ただ、一度切れた緊張の糸は、足を富士山に向かわせるに至らず。
    結局、強行してもご来光は拝めなかった様子。
    残る候補はマイカー規制の前と後の2回。今年は輪番停電のおかげ(?)で
    平日休みなのでチャンスが多い。
・現地へ。
 今年も「午後から雷雨を伴うにわか雨」の予報が出ている中、家を出る。(11:50)
 いつもの青梅インターには向かわず、一般道で八王子へのお使いを済ませてから
    八王子西ICへ向かう。(12:43) ICを通過(13:00)して談合坂SAにも寄らず、
    大月JCから河口湖方面へ。谷村PAに到着(13:35)し、月見そばを食べる。
    小休止後出発(13:50) 河口湖ICを通過(14:00)しスバルラインへ。
    入り口の電光掲示板には「駐車場待ち、3時間以上」と出ているが、お構い無しに
    登頂開始。駐車場手前1km付近で渋滞の最後尾に着く(14:35)
    約30分の待ちで駐車場を確保(15:05)
・5合目。
 昨年と比べると、気持ち外人が少ない。放射能漏れ事故の影響による中国人観光客の
    減少の影響かな?と思いつつ小御嶽神社への参拝を済ませ、かもめーるを買って
    車中で宛名貼り。去年の行程実績を見直し、18:30頃の出発を決めると、ラジオを
    聞きながら横になる。5合目は日差しが差し込むほどの良い天気。
    少しウトウトしながら時間を過ごす。これも高山病対策の一環。高度に体を慣らすのも
    大事な時間。ъ( ゜ー^)★
    5時過ぎから腹ごしらえと着替えを始める。時折パラパラと通り雨なのかガスなのかが
    窓を濡らすものの、天候はギリギリ持つ?位の感じ。少なくとも、ラジオを聞いている
    限りでは稲妻のノイズは1回も聞こえなかったので大丈夫そう。
    荷物を抱えて5合目の広場に繰り出し準備運動。ツアーの動向を眺めていると、
    皆が一様に合羽姿である事に気が付き、用心の意味もこめて上着とバックのカバーだけ
    雨装備にしてから出発(18:20)
・登頂開始〜6合目。(2,305m〜2,390m)
 歩き出すとまもなく「ガス」に包まれ、時折雨粒が混じる。急いで合羽のズボンも
    装着し、結局全身「雨」装備。木々に付着した水滴は葉の先から雨のように流れ落ち
    容赦なく降り注いでくる。既に帽子からも水滴が滴り落ちている。
    「7合目ぐらいまで上がれば雲の上」と淡い期待を胸に6合目を後にする。(19:10-15)
・6合目〜7合目。(2,390m〜2,700m)
 相変わらずの天候の中、ゆっくり歩を進める。雨を考えると長時間の時間調整は
    難しいと判断し、出来る限り歩きながら休憩を挟むようにし時間を稼ぐ。
    雨なので休憩中にカバンから物を出すのを躊躇していたせいで少し水分補給が
    足りなくなっていたのか、高山病の兆候が出始めた。
    ゆっくり登って呼吸を整えながら登っていても、水分が足りないのは良くないらしい。
    水分を補給したら兆候は消えた。やはり、適度な水分補給は必要です。。。
    雨に加えて風も強くなってきたが、引き返すには中途半端なので取り合えず登り続ける。
 7合目山小屋群の1件目「花小屋」通過が20:30。「日の出館」(20:35)。
    雨なので、少し休んでは次々と山小屋を通過して行く。
・7合目〜8合目。(2,700m〜3,020m)
 七合目トモエ館(21:00)、鎌岩館(21:15)、富士一館(21:20)、鳥居荘(21:25)、東洋館(21:30)。
    東洋館の脇に出ると、雨風が凄く踏み出すのを躊躇させる。小屋の影になり風雨を少し
    防げる場所に陣取り、雨をやり過ごすまで待ってみることにした。濡れた服が体温を奪い
    寒くなってきたので、持ってきた服を全て重ね着する。着膨れした格好で立ち尽くすこと
    1.5時間。気持ち風雨が弱まった?タイミングで再び頂上を目指す。(23:00)
・8合目〜本8合目。(3,020m〜3,360m)
 太子館、蓬莱館を通過。(--:--)、白雲荘で再び小休止。(--:--)
 相変わらず続く雨と風でとても寒いが、着膨れMAXなので、何とか我慢。
    そばで「寒い」と泣いていた小学生が可愛そうだった。。。(T_T)
    暫く好天を祈りつつ時間調整したものの雨風は収まらず。。。
    「山頂に5時前到着」のタイミングで三度び歩を進める。既に全身ずぶ濡れ状態なので
    雨が止もうが止まないがお構いなし、開き直って歩き出す。
    暫く歩いていると、妙な団体が増えてきた。ツアーの一行が登山道を下山し出している。
    こんな光景は見たことが無かったので、「なんで?」と思いながら登っていると、
    富士山ホテルでその答えを知ることが出来た。
    「8合5勺から上は荒天で危ない。ツアーも中止になってるし」との事。
    丁度、上から降りてきた人に出くわしたが「スゴイ」の一言。山小屋の従業員も
    「降りたほうが良い」と言っていたので・・・3分程考えて下山を決断。(2:30)
 登頂出来ないのは残念だけど今回で13回目だし、そもそもの目的は”散歩”なので
 決断したらやることは1つ。来た道を後戻りするだけ。これも貴重な体験♪
・下山。
 同じように来た道を引き返すツアーに混じり、風雨の中下山を開始する。
 途中、「そこを曲がらず、まっすぐに進んで下さ〜い」とツアーコンダクターの声。
 下山道への連絡通路に入ったらしい。ツアーに同行していなければ確実に
 道を間違えていたと思う。下山道は何回も経験したつづら折りの道で、
 疲労が蓄積した足にはとても負担が掛かる滑りやすい道。加えて闇の中で
 足元の状況が全く分からず、自然と歩幅が狭くなる。金剛杖を突き刺した感覚のみを
 頼りにそろそろと歩を進める。下山道は日が高くなった状況しか経験したことが
 無かったので不安が募る。余程注視していないと、道幅も分からず転落の恐れも
 あるし、また上からの落石なんかが起こっても多分回避のしようが無い。。。
 途中、一時的に雨が止むと「下界は真っ黒な雲の下、上空は満点の天の川」という
 まるで”天国と地獄”のような幻想的な光景が広がり、足を止めて降り注ぐ流れ星を
 眺める。まぁ、この光景が見られただけでも「散歩に来た甲斐があった」と思うことに
 しないと・・・良い事が全く無かったからねぇ〜とシミジミ。。。
 やがて辺りが徐々に明るくなってきた頃には、既に下山道終盤のトイレ付近に
 差し掛かっていた。先が見えなかったせいか、普段の下山道よりも楽に降りてきた。
 まぁ、「8号目〜山頂&お鉢めぐり&8合目までの下山」の分だけ余力が残っていたと
 考えれば至極当然のことか。。。
 5:00頃、山頂で拝むはずだったご来光を5合目で仰ぐ。
 昨年を凌ぐ、文句なしに最悪のコンディションながら、一応無事に生還。(5:30)
・下山後。
 山頂用に着込んだままの格好で降りてきたので、上着は合羽を含めて5枚も
 あった。そのそれぞれがじんわり湿って、体にまとわり付いている。靴の中にまで
 水が入り、手足の指先は風呂上り状態。。。本当に大変な風雨でした。
 着替えを済ませ、登山中に食べる予定だったおにぎりで朝ごはん。。。
 そう言えば、山頂で食べるはずだったカップヌードルもあったんだっけ。
 マイカー規制明けにもう一回”リベンジ”しようかな〜とか思いつつ、5合目から
 見上げた富士山は、あの風雨が嘘のように見える。
 ・・・やっぱり富士山は天候が良い時に登りたいよねぇ。。。
 あまりにも早い時間に下山したので、いつもの日帰り温泉はパスして家路に着いた。
・総評。
 昨年とは比べ物にならないほどの悪天候でした。。。
 でも、「登山道を下山」「闇の中の下山道」と、初体験もあったりしたので
 全てが悪かったとは言えないかな。引き返すという”英断”が出来たことも良かったのかも。
 本当は「厄払い」を兼ねて、山頂でお参りしたかったんだけどなぁ〜。
 まぁ、仕方ないですね。。。

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