御遺物


念珠
木製 総長約93・0 13世紀(千葉・法華経寺)

文永元年(1264)小松原法難の時に、日蓮聖人はこの念珠で振り下ろされた刀を受け止められたと言われています。
その時に着用されていた血染めの袈裟は保存状態が悪いため今回出展されていないのですが、金襴錦ではなく平絹なのが日蓮聖人らしいとされています。

現物は意外なほど小さくこじんまりとした感じです。
じっと見入っていると、当時の街の音が聞こえて来るようです。
同じく出展されている御硯と共に一番人気で、なかなか近寄れませんでした。








今回の出展品の中心
観心本尊抄
日蓮筆
紙本墨書 文永10年(1273)(千葉・法華経寺)
  
最初と最後の部分だけアップしました。
「如来滅後五五百歳始観心本尊抄」、とあるのが正式の書名
五五百歳、とは釈尊入滅後2500年ということ
末尾に「文永十年大歳癸酉卯月廿五日 日蓮註之」という自筆の奥書があります。

日蓮諸宗の最も重要な教典「観心本尊抄」の原本です。

こちらも、今回の出品の中心
「立正安国論」です。
日蓮筆
紙本墨書 文永6年(1269)(千葉・法華経寺)

日蓮聖人は「立正安国論」を文応元年(1260)に幕府、北条時頼に上呈されて後、なんどかご自身で書写されています。
これはその奥書により御聖人48歳の時に写されたものであることが判明しています。









御遺物配分帳より
日蓮聖人葬儀後の形見わけの記録
(東京・本門寺)
遺品配分をうけたのは35名
日蓮教団の初期の動向が伺える貴重な資料です。

中に馬一匹とあるのが眼にとまりました。
御聖人を乗せて身延から池上の終焉の地までお供した馬でしょうか・・