記事No | : 1726 |
タイトル | : 今昔物語より |
投稿日 | : 2012/11/06(Tue) 18:43:45 |
投稿者 | : 桃青 |
今昔物語には、精神病を扱ったと思われる話がいくつか出て来る。
旅の僧が、ある村を通りかかったところ、男の村人たちが集まって何ごとかをしている。
何をしているかと尋ねたところ、
「村の者がひとでなくなったので埋めております。
御坊には関わりのないことですから、どうか通り過ぎてください。」
と、いう答えであった。
旅の僧は、哀れなことだと思ったが、どうしようもなくそのままそこを通り過ぎた。
原文もこのくらいの短い話しですが、怖い話ですね。
「ひとでなくなった者」とは、精神病、あるいは認知症のかたではなかったのか。
「ひとでなくなる」も、ひとでなくなった者に接した者でなくてはわからないことなのだろうと思う。
ひとでなくなった者をコミュニティが持て余して生き埋めにしてしまうことも、昔ならあったかもしれない。