記事No | : 1833 |
タイトル | : Re: 権威主義者 |
投稿日 | : 2013/01/16(Wed) 18:00:32 |
投稿者 | : 桃青 |
素直な信仰者は、まず間違いなく権威好きだとみて間違いない。
たとえ普段どんなに世の中の権威を不合理だと否定し、権力に対して辛辣な批判をするようなことを言っているかたでも、何かの折に、ふと、自分の家柄の自慢を語りだしたりする。
自分の家系に自慢するようなことがなければ、配偶者の家系を自慢したりする。
「我はセンダラの子なり。」と、清々しく曇りなく言われた日蓮聖人を師と仰ぐ日蓮門下でも、「日蓮聖人は漁師でも網元の子だったんじゃ。」と、ひとこと言わずにはいられないのであるから、他は押して知るべしであろう。
キリスト教徒も、キリストを神の子とするだけではあきたらず、長々しい家系でダビデ王に結びつけずにはいられない。
しかも、イエスの母マリアの夫ではあるがイエスの実父ではないとされるヨセフの家系である。
いわば養子が養家の自慢をするようなものであって、日本の庶民も同じようなことをする養子はいるが、そう言う場合、
「血が繋がってもいない養子が自慢しているよ。」と、たいてい嗤われる。
庶民の養子が同じことをすれば嗤うひとでも、イエスとなると有り難くなるのであろうか。
最近も、ひごろ常に権威主義者を批判する或る信仰者のかたが
「あなたの家系は?さぞかし、というものなのでしょうね?」と、尋ねて来た。
私は言えば自慢と受け取られない家系であるのと、「センダラの子である。」と言われた日蓮聖人に傾倒しているのと、元から家系自慢するひとが嫌いであるのと、なにやらかにやらで、
「私は先祖代々百姓の家の子です。」
と、答えた。
途端、相手は鼻で嗤い、「私の妻はね、武士の娘なのですよ。」と、嬉しそうに言った。
家系を尋ねて来た時点で、相手が家系という権威に傾倒していることが予測されたので、本当の事を言っておけば良かったかも、と思ったが、家系に権威を求めることが大嫌いな性分なのでこれからも言うことはないであろう。