タイトル | : 無害化 |
記事No | : 2072 |
投稿日 | : 2013/06/01(Sat) 11:17:17 |
投稿者 | : 桃青 |
ひとは酷い現実を美しく物語化することで受け入れる。
というようなことを各地に残る神隠し、河童伝説等を例に出しながら誰かが書いていたのだが、中村稀明先生だったか、と、探してみたが見つからない。
私が、「お母様(の本態)は菩薩、仏(だと思いなさい、思うべきだ。)」と諭してくださる方々に反発するのには、 「認知症という現実」をそんなに簡単に物語化されてたまるか、という思いがあるからでもある。
母を仏、菩薩だと思うことは簡単です。 私は、前にも書きましたが乖離体質なので、思いこもうとしたら、どんなことでも思い込むことができます。 なので、思いこんだらどうなるか、も、おおよそ解るので余計思いこまないところで踏みとどまっている。
どんなに耐えがたい現実でも、きちんと向き合ってこそ、まっとうな対策もできるのだ。 現実の苦悩に対する現実の対策がまっとうなものであれば、どんな物語りよりも美しく輝くはずなのだから。
飲みこまれた異物は、粘液がつくる膜に覆われて腸壁を傷つけることなく腸内を移動し排泄される。 耐えがたい現実を美しく物語化することによって、受け入れられる形にしないでいられないのも人間に備わった能力なのだろう。 それは人間が極限状態で見るという幻覚と似たようなものかもしれない。
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