タイトル | : 『恐怖の作法』より、その二、「恐怖と憎悪」 |
記事No | : 2356 |
投稿日 | : 2014/11/26(Wed) 19:05:26 |
投稿者 | : 桃青 |
小中氏は、恐怖の器質的側面にも言及して 恐怖と畏れといった情動は、脳の偏桃体が関与していること、 また、この偏桃体は憎しみ、憎悪という情動にも関与していること を書かれている。 この知見は結構昔から知られている知見なので、私は特に目新しくは感じなかったが、氏はこの知見に対しては「憎しみと恐怖が人間の脳では極めて近しいところで処理されていることを認めたくはなかった。」 という感想を抱かれたようだ。
「・・・視覚情報は視床下部から前頭葉へ「如何に対処するか」という判断を促すのだが、それよりも早く作動するのが偏桃体のシステムである。この時の状態をー F or F=Fright or Fight、恐怖に身を竦ませるか、闘争するかと呼ぶ。 <中略>逃げ出すのか、相手と闘争するか。」 「恐怖に憎悪が伴って行くのは、生存のために恐怖を抱き続ける為の記憶情報、という解釈」は「憎悪のほんの一面に過ぎず、より屈折した憎悪の根拠はどんな切り口でも多様にあげられる。 しかし、本来的に、憎しみと恐怖は近しい存在なのだ。」
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