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タイトル記憶は変質する
記事No1393
投稿日: 2012/02/16(Thu) 09:13:52
投稿者桃青
夏目漱石『草枕』の冒頭を引いて、書こうと思い、
理に棹させば角が立つ、情に・・・なんだったけ?と検索してみると、原文は

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟つた時、詩が生れて、畫が出來る。
 人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。矢張り向ふ三軒兩隣りにちらちらする唯の人である。唯の人が作つた人の世が住みにくいからとて、越す國はあるまい。あれば人でなしの國へ行く許りだ。人でなしの國は人の世よりも猶住みにくからう。」

だった。
ところが検索すると、私のように「理に棹させば」と思い込んでいるひとも複数おられるようで、「理に棹させば」と引用ししたコメントをいくつもヒットしたのには、驚いた。