9月16日は綾崎若菜嬢の誕生日。「ホワイトブライティア」掲示板でお世話になっているゲルググ中佐さまより、記念のSSを頂戴いたしましたので、ここにご紹介いたします。
元は掲示板で私がかきこしたネタにゲルググ中佐さまがレスで書いて下さったものをリライトしていただいた一品です。
何か、えらいはづかしいのですが(核爆)。…皆様には普段ご愛用の主人公くんの名前を代入してお読みください。

一応、非常口をこちらに用意しておきます(汗笑)


『花火〜わかにゃさま聖誕祭記念SS〜』

秋の空気が漂い始めた9月16日、佐世保は京都にいた。

もちろん、目的は若菜と会うためだ。

佐世保「う〜ん…若菜遅いな…待ち合わせ場所…ここであってたはずだけど…」

約束の時間から、すでに10分を過ぎている。

いつもなら、10分は早く待ち合わせ場所に来る

若菜が、今日に限っては遅刻していた。

佐世保「どうしたんだろう…しかたない…電話してみるか…」

電話を探すため、待ち合わせ場所を離れようとしたそのとき…

若菜「あの…佐世保さま…お待たせ致しました…」

人ごみの中から聞こえたその声は、紛れもなく若菜の声であった。

佐世保「あ、若菜…ううん、ちっとも待って…って…その浴衣…」

振り返った佐世保の目に、色鮮やかな浴衣を身にまとった若菜の姿が飛び込んできた。

若菜「あ…これですか…あの佐世保さまと花火に出かけると聞いて…

お婆さまが見立ててくださったんです…あの…申し訳ございません…

思ったより着付けに時間がかかりまして…少し遅れてしまいました…」

申し訳なさそうに謝る若菜。佐世保はすかさずフォロー入れた。

佐世保「だ、大丈夫…全然遅れてないから…謝らなくてもいいよ…」

若菜「そ、そうですか…よかった…(ホッ)」

安心する若菜を見て、思わず顔がほころぶ佐世保。

そんな佐世保に、若菜は照れた顔をしながら質問をする。

若菜「あの佐世保さま…ちょっといいですか…

佐世保「ん…どうしたの?」

若菜「あの…この浴衣…どうですか…わたくしに似合っていますか…」

突然の質問に驚く佐世保。答えにつまっているその姿に、

若菜は少し不安げな顔をして尋ね返す。

若菜「あの…やっぱり…似合っていないのでしょうか…」

ますます不安げな表情になる若菜に、佐世保は素直な感想を述べる。

佐世保「いや…そんなことないよ…すごく若菜に似合ってるから…みとれちゃって…」

若菜「まあ…そんな…(ポッ)」

質問をしたときより、いっそう照れた顔になる若菜。

佐世保「じゃ…じゃあ、行こうか若菜…」

(ギュッと手を握る佐世保)

若菜「は…はい…」

――そして2人は花火が輝く京の街へ――

佐世保「やっぱり打ち上げ花火はキレイだね…あ、若菜…人ごみが多いから、はぐれないようにね

…」

若菜を心配し、少しだけ手を握る力を強くする佐世保。

若菜「あ…はい…あの…佐世保さま…離れないように、腕を組んでもよろしいですか…」

若菜からそんなことを言われるとは、予想していなかった

佐世保は、驚いた声をあげてしまう。

佐世保「え…う、腕を…」

若菜「あ…いえ…今のは冗談です…わたくしったら…ついはしゃぎ過ぎて…あっ…」

またも落ち込んだ表情を見せる若菜。そんな若菜を気遣い、

佐世保は自ら腕を若菜にからめた。

若菜「あ、あの…佐世保さま…(ポッ)」

佐世保「お姫さま、未熟な騎士ですがエスコートさせていただきます…」

若菜「は、はい…(ポッ)」

(ソッと佐世保に寄り掛かる若菜)

佐世保「あ、あの…若菜…」

若菜「もう少し…もう少しだけ…このままでいさせてください…」

(わたくし…とっても幸せです…)

――やがて花火も終わりしばしの別れの時が訪れる――

佐世保と若菜、二人は駅の前で別れのときを惜しんでいた。

佐世保「ごめんね若菜、何だかあわただしくなっちゃって…

それに中島さんにもおくってもらって…」

若菜「いいんです…本当はもう少しいたかったんですが…

あなたの都合もありますから…」

佐世保「また電話するね…」

若菜「はい…」

佐世保「メール…送るから…」

若菜「はい…」

佐世保「また…二人でどこかに行こう…」

若菜「…はい…」

短いようで長い別れ。その不安から逃れるように、

佐世保は若菜を抱き寄せ、そっと口付けをかわした。

若菜「あっ…」

若菜もそれを拒むことなく、静かに受け入れた。

無常にも時間は刻一刻と過ぎていく。そして別れの時が訪れた。

佐世保「じゃあ…若菜…またね…」

若菜「はい…」

そう言うと、静かに佐世保は改札口からホームへと消えていった。

(私は待ちます…あなたが来ることを…この日の想い出が…幻でないことを信じて…)

〜FIN〜


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