分水嶺(1999夏・志賀&魚沼)その2(携帯版)


【突撃!越後路】
く・くっそう!
そんな事だろうとは思ってたけど、全面舗装化されてしまった奥志賀林道。

その中間あたりのカヤノ平キャンプ場。
ウシの鳴声で目覚める。
ラジオが「関東地方は雨。大雨のおそれも」などと言っているけど、ここは晴天。
あたりの風景も手伝ってか、なんか北海道で聞く東京地方の天気予報みたい。
まるでよそ事なのだ!!
ほんの山一つ向こうの出来事なのに・・・

信濃川添いに国道を下る。まるで夏のような暑さ!
新潟県。
「ツーリングマップル」になる前の細身の「ツーリングマップ」時代、全国唯一、マップから外されていた県。
そのために、未知の怪しそうなスポットがいっぱいありそう。


まず、山古志村・広神村の境目、中山トンネルを目指す。
白山スーパー林道や筑波山など、二輪車のみ通行止めの道って有りますよね?
増してや奥只見・尾瀬とつながるR352なんか、国道のクセにですぜ!!
そんな中、このトンネルは「二輪車のみ通行可」。
おおっ!!逆襲だぁ!!

細いクネクネの道を進む。
まるで四国の国道。ムムムム・・・・

問題のトンネル。
あわれ新トンネルが完成し、ご隠居状態に。
たしかに細い!!
軽自動車ならギリギリ通れそうな、1Km足らずの素掘りのトンネル。
昭和24年、地元の人々が全くの手掘りで完成させ、その後国道に編入。
今は、トンネル内に昔の写真や思い出の寄せ書きが展示されているのみ。
新トンネル工事の際に道を崩され、南側が通り抜け不可。


次に、栃尾市・守門村の境目、福山~熊取沢~西中野俣とつなぐ県道476号線に。
この道のどこが怪しいって?
マップルを見よ!

「車両走行不可能な湿地帯」
これっていったい・・・

わざわざ地図に書いておいて走行不能だとぉ?走行してやろうじゃねぇかっ!!
という訳で福山側から侵入。
初めは快適なワインディング。
ほどなく、整備された砂利ダートに。
やがて・・・・

川沿いの、もう相当の期間は誰も通った形跡の無い、異常に草生した道に。
ワダチの水溜まりに前輪を入れると・・・ヌプヌプっと、タイヤ1/3まで沈む。
で・出たなぁ!!そういう事かい?
道自体が湿地帯って事かい?

細い道。
下手に足を付くと、足が果てしなく埋まって・・・

そのまま立ちゴケどころか、バイクもろとも川に転落しそう!
Uターンできるような道幅・路面状態ではない!!

こ・これは・・


【敗走!越後路】
ズボっと埋まった前輪、バイクを降りて抱え挙げて脱出。
しかし前進するしか無い。
そこは難なく突破、とにかくUターン出来る場所まで行かねば・・・

しばらく締まった道となり、戻るのが惜しくなって更に前進。
再びマディー地帯。それは繁った草に隠されていて、唐突に車輪が埋まってから気が付く。

ここで今度こそ断念!!本格的にハマってしまったら、一人では大変な事に・・

何しろ、長期間、だれも通っていない道なのだ!!助けは来るまい!!


舗装路まで無事に逃げ戻る。
しかし、たしかにヒドいマディー道だったけど、「湿地帯」というには表現が違うのでは?
あくまでも「道」だったし。
よせばいいのに、反対側からアタックしてみる事に。

西中野俣側からの入り口を探すが、それらしい道が見当たらない。
怪しい道に入ってみると・・・・

うおぉ!!完全に沼っぺり!!
沼と沼の間を進む個所まである!!
まさに湿地帯!まるで「知床五湖」を、バイクで巡っている気分。
ほどなく道が消える。


R17を南下。
山に向かっているのに南下って言うのも、太平洋側で育った自分には違和感がありますな!
海が北にあるってのも同様。
空はあいかわらずの晴天!う~ん!日本の夏だねぇ!
国境の山々には厚い雲がかかり、関東の人々は今頃ヌレヌレなのだろうけど。

六日町を過ぎたあたりから、通り雨の様なものが時折降ってくる。
遂に来たな!関東からのオコボレか?
分水嶺を越えてきた、勇者の雨よ!

峠を越えたらずっと雨だろうし、ちょっと早いけど帰る事に。
三国峠への坂を登る。
進むに連れて雲は厚みを増し、あたりは暗くなってくる。
三国トンネルの手前で停止、ここでカッパを着ておくのだ。
トンネルの向こうは、確実に雨なのだ。

偉大なる分水嶺よ!
ここまでの晴天を有り難う!


国境の長い長ぁぁいトンネルを越え・・・

あ・ありぃ~?な・なんですかぁ?

見上げた空の、あの青い空間は何ですかぁ??

その空で光っている、やたらマブしい丸いものは何ですかぁ??

澄み渡った夏空。
ヘンなカッパで立ち尽くす者が一人・・・・

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