虹と台風(1999秋・奥多摩)(携帯版)


「気象庁予報部、午前6時発表の天気予報です。台風16号が・・」
今日の奥多摩林道ツーリング、こりではさすがに中止であろう。
気持ち良く2度寝する為に、念のため組長の携帯にTEL・・・
留守電。
仕方が無いので組長の自宅にかけてみると、
「出かけました(家族)」
ま・まさか!!
でも今日は敬老の日、老人会にでも出かけたのかも・・
さらに念のため、せら壱夫にかけてみると・・・
「今、青梅街道を爆進中だぁ」
い・行くのね・・・

風は強いけど空は晴天、ただし前方には暗雲が・・・
吉野街道を進むうち、進行方向である西の空には虹が!
いや、空というよりも谷間に架かる橋のような、やたらと低い虹のアーチ。
美しがっている場合では無いのだ!
朝の虹・西の虹は、天候悪化の象徴ではないかぁ!

☆待ち合わせの奥多摩湖畔に居た、BAKAな人々

組長/せら/どら/はっちょり/金龍/A先生/ツバメ清水/ゆきゆき/そえちゃま/びわみわ/みっちゃん/ひま

一本の電話。
諸事情により、仮に「ライダーX」としておこう。
「オ・オイラ寝坊したっけ!今、あきる野に居るっす」
「あ・あきる野って、五日市側ではないか!!山の向こう側だぁ!なぜ・・」
「オイラ、山の上を越えて行こうと思っているっす」
「ね・寝坊して遅れているのに、なぜ遠回りをぉ!」
「だ・だって、こっちは雨が降っているっす」
何が何だか判らない会話。
この時点で、ライダーXは見捨てられる事に。

いきなり降り出した雨に追いたてられるように出発!小菅村を目指す。
小菅川添いの林道へ。
大菩薩峠へと続く道。
登山道になってしまう個所までのピストンだけど、硬く締まった石の道をハイペースで走り抜ける気持ちの良さ!
台風独特の変わり易い天候ながら、時折日差しも!!。
携帯はほとんどが圏外。
合流を目指すライダーXからの、この時点での留守電
「いま、日原あたりを捜してるっす!!皆を見つけられないっす!」
カンの悪い男である。
びわみわ、持参のオニギリを早弁。

いきなり雨が強まる中、丹波山村に移動。
丹波渓谷を通り、マップルには
『落ちれば即死の深い谷』と書いてある林道に。
道はチョイガレ程度だけれど、激雨の影響で、道はゲロ川となっている。
水が流れている個所があるといった程度ではない!
ほぼ全線、道全体が濁流なのだ。
今回の案内役、T・Y嬢(ランツァ)の証言。
「いつもはチョロチョロっとした小川が激流になっているのよぉ!ガケからは水が湧き出してるし、ピストンだから崖崩れでも起きたらタイヘン!帰れなくなっちゃう!」
と、案内人は途中で進むのを止めてしまう。
何も知らない一同は、地獄の沢登を果てしなく続けるのであった。

合流を目指すライダーXからの、この時点での留守電
「いま、小菅村あたりを捜してるっす!!中々合流出来ないっす!」
手遅れである。
びわみわ、持参のオニギリを食い尽くす。

あまりの天候の酷さに、予定された3本目の林道をパスし、三条の湯に至る林道に。
この道も、先ほどの道程では無いけど、川となった部分多し。
17Km程で終点、ここからは温泉に向かう登山道。
行方不明者捜索の為のポスターがゾッとさせる。
後続がなかなか現れない。
どうやらツバメ清水がパンクとのこと。
本人と金龍号が現場に待機しているらしい。

A堀パンク修理班長が現場に向かう。
ここから2~3Kmくらい手前らしい。
しばらくして、金龍号が現れる。
「予備チューブを貸してくれぇ!!!」
持ち合わせていた『せら壱夫』がチューブを取り出していると、金龍号は戻って行ってしまう!
えっ?チューブを受け取りに来たんじゃないの??
彼は、ただの伝令だったのだろうか・・・・

小粋な『はっちょりトーク』を楽しむうちに修理完了!
遅い昼飯の為に奥多摩湖畔を目指す。
その後には温泉が待っているぅ!
舗装路に出て走っていると・・・・
つ・つ・遂に感動の遭遇!涙の巡り合い!
前方から、ライダーXのオレンジのDFの姿がぁ!
晴れて『ライダーX』から『参加者・したっけ兄さん』に昇格!
しかし、走る予定の林道は既に終っている。
哀れしたっけ兄さん、ただの温泉ライダーとなってしまうのかぁ!
EDでは、チェーン切れ・マディー埋没・ガス欠などと、いつもフビンな案内人ゆきゆき、人のフビンも放っては置けないらしく、したっけ兄さんを引き連れてオブション林道へ。
その他は奥多摩湖畔で昼飯。
いきなりSちゃま、
「ねぇねぇ!!ラブラブ林道よぉ!どうしよう!」

雨の中、オニギリなどを食す。
すでに食い尽くしてしまっている『びわみわ』は、菓子類を貰って食いまくる!
成長する訳である・・・・
ここでも冴え渡る『はっちょりトーク』、その傍らでは・・・
皆のゴミを集めて捨てに行ったSちゃまが、ゴミを持ったままウロウロしているのが見える。
そう、最近有りがちな『ゴミ持ち帰り運動』。
ゴミ箱が一切無いのだ!!
いまさらゴミを各人に返す訳にもいかず・・・
するとSちゃま!!!驚きの大胆行動!
駐車場に停まっている、シートを掛けてあるトラックの荷台にゴミをぉぉぉ!

なんやかんやで時は過ぎて、温泉から眺める空は透き通った青い色!
やがて夕焼け空まで青身掛かった色に・・・
いかにも『台風の夕焼け』ですなぁ・・・・・

ビーエーケーエーな人々と、今回は更に台風とも遊んだ晩夏の一日、
太陽は朝の虹の方向に暮れ、人間は大広間でクズれていくのであった。


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