続・南国ワーク(2000夏・シンガポール)その1(携帯版)
またまた憂鬱な日々が開始されるのだ。
そう、シンガポール出張の第2弾!!
かんべんしとくれよう!
えっ?なんだかんだ言いながら、少しは楽しみなんじゃないかって?
と・とんでもない!!冗談じゃないのだ!
なにもかもが気にいらない。
ハッキリ言ってクソクラエなのだ!
まあ、いまさらガタガタ言ってもしょうがない。
すでに出国手続きも済んだし、免税店でタバコも買っちゃったし。
今回は名刺もキッチリ持ってきたので、恐怖のネームカード君も恐くない。
正式に言えば、最初の一撃だけで済むと言う事になる。
どうだ!!学習能力はバッチリなのだ!!
全日空901便。
出発間際にドヤドヤと現れた団体で満席。ほとんどがニポンのツアー客なのだ。
おこちゃまも多く、機内を走り回っていやがる。
うっとうしいと言うよりも、うらやましいではないか!
じっと座りっぱなしの辛さ!!耐えがたいのだ。
まさかオコチャマと一緒に走りまわる訳にはいかず、仮にやってしまったら、きっとスッチーの対応は妙に優くなってしまうだろう。
「可哀想な人」とか思いながら。
シンガポール着。
「う~!!ヤニィ!!」などと叫びながら、団体客に紛れてノーチェックで税関を突破。
タクシー乗り場脇の灰皿を目指す。
7時間ぶりのタバコに感激しながら、ボンヤリとタクシーを見つめる。
団体が多いせいか、タクシーの方が余っていて、案内役のオッチャンもヒマそうだ。
おっとぉ?前々から気になっていた、ベンツのタクが!!!
他の客を調整し、みごとベンツをゲット!!ラッキー。
同じ料金なのだから、ベンツタクの方が良いに決まっている。
なにしろフツーのタクがボロすぎるのだ。
ほとんどが日本車なのだけれど、ボコボコの旧型車。
タク以外のクルマも同じようなものだ。
こちらでは10年ごとに車検のような物が有り、これがオニの様に高額なのだそうだ。
従ってホイホイと買いかえる訳にはいかず、新車で買ってもキッチリ10年は使うそうな。
その結果、一昔前の車種が目白押しとなってしまっているのだ。
ぶつけた少々のヘコミなどは直す習慣が無いらしく、タクであっても結構ボコボコだったりする。
まあ、個人的には日本の方が異常な気もするのだけれど。
快適に高速を走るベンツタク。
見慣れた怪しい中華街風を通過し、いよいよホテル着。
ここでも学習能力を発揮し、オロオロと手間どった前回の10倍のスピードで部屋の中に。
言葉など通じなくても、要は気合なのだ。
(またこないだのバカだと知っていて、あえて何も聞かなかっただけかも)
ホテルの窓には懐かしい風景。
まあ、前回から一ヶ月も経っていないので懐かしいと言うのは間違いかもしれない。
あれからずっと滞在していたような錯覚さえも覚える。
激しくイヤな出張だけれど、ここまで来たらしかたが無い。
さあ!頑張るぞぉ!!
待っていやがれ!
ネームカード君!
速攻でタクを捕まえる。
『グットモニングウウウウッ!!』
何気に男らしい叫び。
高倉健さんの様なシト。
ERP(日本のETCと同じ)を避けて迂回し、チャッカリ通過料だけせしめる運ちゃんが殆どだったのに、この健さんは真正面から突入!!
男らしい!!
いつもより格段早く高速に。
日本では死滅した、速度警告音をキンコンと響かせながら、男らしくかっ飛ぶ。頼れるぞぉ!!
こちらの高速では、バイクの2ケツやトラックの荷台に人を乗せての走行などはアタリマエ。
しかしこんな雨の日には、さすがに荷台は居ないようだ。
と思ったら・・・
どこにも、気合が入っている人は居るのだ。
一人で荷台にふんばって傘までさし、まるで台風レポーターの様な形相で頑張っているのだ。
この健さん、男らしいけど道を知らないらしい。
地図など出して、考え込んでいる。
しかし大丈夫!!なんせ今回のワタクシ、学習能力に満ちあふれているのだ。
百戦練磨とまでは言えないけれど、10戦全敗くらいの実績はある。
道順だって覚えちゃっているのだ。
「そこ右!!そこ左!!」
『判りました。不器用ですから。』
男らしく地図をしまい込み、男らしく指示に従ううちに無事に到着。
どうだ!!
問題の守衛所へ。
おおっ!!いるいる!ネームカード君だぁ!!
『名刺を出しやがれ!!』
へへん!!ちゃんと用意してあるのだ。
名刺を受け取ると、まるで人が変わった様におとなしいネームカード君、入門票の書き方なども優しくアドバイスしてくれるではないか!!
ところが・・・・・
『おいっ、コンピューターは持って来ていないだろうな!』
えっ?前はそんな事聞かれなかったのに・・・
「な・ないですよう!!」
『オラァ!荷物を見せやがれ』
ここは税関よりも厳しいぞぉ!!
『キ・キサマ!!何だこれは!!ウソつきやがったなぁ!!』
ワタクシのカバンの中に入っていたモバギを発見するや否や、それを取り上げて、一気に恐怖黒人に豹変するネームカード君!!
「そ・そりは・・・・」
なんて説明すればいいんだよう!!
しかし何でまた!!!
会社備品のPC持ち出しをチェックする為に、事前に持ち込みを確認しようという意図なのだろうけど、前回はまったく無かったのだ。
システムが変わったのだろうか?
それとも・・・
このネームカード君、とにかくワタクシをイジメなければ気が済まない為にイヤガラセでやっているのだろうか・・・・
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