蟻地獄(1999冬・なりなり邸)
クリスマスパーティーという事で、ついついといざなわれた なりなり邸・・・・・・
そこには、今までの人生の中で培ってきた「クリスマスパーティー」というイメージを、木端微塵に粉砕されてしまう光景が待ち受けていた。
金曜の夜。
川崎市の某駅を降り立ち、ファミマでテキトーにプレゼント交換用のブツを購入。
そして なりなり御殿に。
おおっ、クリスマスだぁ!!
居並ぶゴチソウ!ルービの山!そしてケーキだぁ!
メリークリスマァァスゥゥゥ!!!
おね~ちゃん達も交え、御家庭用ビンゴマシーンによる小粋なプレゼント交換、ミッドナイト上映会などなど、ハッピーな夜は更けていく・・・
土曜日の朝。
晴れた空には「おはようルービ」が良く似合う!
って、窓の外を見る前から飲み始めているのだから、この際青空は関係ないらしい。
楽しかったパーチーの思ひ出を胸に、師走の街に帰って行くシトビトを見送り・・・
すでに食料を食い尽くしたままたたずむのは、家主なりなり/峰部長/むらやの/ひま。
この、半チクオヤジ4人と言うメンツからしても、「クリスマスパーティ」が続いているとは言い難い状況になっている。
深い意味も無く「ガハガハ」と笑い合ううちに夕方。
「お~しっ!!フロいくぞぉ!!フロっ」
どうやらこの言葉で、クリスマスパーティーは完全に終了したようだ。
スーパー銭湯に突入し、露天風呂でゴクラク三昧!!
「サウナが別料金なんて高いよな!!」
などと悪態を吐きながら、それを遥かに上回る生ビールなどを飲み出して、銭湯のロビーを異様な光景に変えてしまう。
再び なりなり邸に。
銭湯からの帰り道、ワインやルービなどをキッチリと買い込みながら、食い物を買う事まで知恵が回らなかった面々、ヒクヒクと残飯を奪い合う。
そこへ、救世主とも呼ぶべき よち夫妻が到着!!
持ち込んできた材料でカレーなどを作り始める。
おおっ!スバラシイ!!聖なる夜だぁ!!
新たなメンバーやカムバック組も次々と加わり、こうして二日目の晩餐が開始されるのだった。
でも・・・
もはやクリスマスパーティーでは無い!!!
なりなり邸宴会が明けた日曜日の朝。
社会復帰をとげ、丹沢に走りに出かけるシトビトが去った後には、得体の知れない物体がゴロゴロと転がっている。
イビキ・うめき声・さらには寝屁まで響き渡る中、
「んもぉ、瞳孔まで開いちまったいっ!ホレ、見てみい!!」
とでも言わんばかりに、自らの指で目をアカンベ状に開きながら寝ている者まで居る始末!!
夕べ中村家によって制作されたカレーは、
「良い具合に煮込まれて、明日になったら食べ頃だよ」
のハズだったのに、「食べ頃の明日」を迎える事も無く、とっくに食い尽くされている。
超期限切れのタコスなどを、ハグハグと頬張りながら生き延びる面々。
それでもキッチリと、アルコールだけは補給し続ける。
恍惚の時を過ごす午後、フラフラと買い出し部隊が出動するものの、入手したラーメンでは焼け石に水、一瞬にして消滅する。
そして、3度目の夜を迎える、くずなり/くず峰/くずやの/くず先生/くずぴょ/くずひま。
「このままではイケナイ!!行動するのだ!メシを食いに行くのだぁ!!」
一同車座になり、何を食うべきか協議が始まる。
「ラーメン」
「回転寿司」
「焼き肉」
晩飯候補は段々と凶悪化の傾向を見せ、
「すき焼き」
「しゃぶしゃぶ」・・・
こ・こりでは宴会コースだぁぁぁ!
協議は軌道修正され・・・・
「お好み焼き!!」
「そりで行こう!!」
「どうせなら、広島風が良い」
「そりは支持!!」
口々に叫ぶうちに、
「広島風かぁ。それなら材料を買って来て、ウチで作ろう!!」
キ・キケンだ・・
そのまま月曜の朝を迎えそうな傾向が見え隠れしている・・
結局、キケンな誘惑に打ち勝つ為に、外食でのお好み焼きに決定!!
乱れに乱れた宴会もフィナーレが近づき、最後の晩餐は、お好み焼き屋のハズだったのだが・・
クルマが動き始めてから、真の目的地が明かされた。
「指令!こりから よち邸に向かう。しょっつる鍋が待っているのだ」
「ウゲゲゲゲゲゲゲ!!!ちょ・ちょっと待ったぁ!!」
仕切りなおし、クルマ+バイク3台で、再び よち邸を目指す。
暗闇の丘陵地帯を進むクズの群れ。
2ストばかり3台固まって走る姿は、一見、楽しいツーリングから帰る仲良しトリオに見えるけど、実態は「渡りクズ」だと思うとついつい笑いがでますな。
途中のスーパーで、依頼された食材の追加分などを買い求め、よち邸に到着。
にこやかに玄関から出てくる よち隊長、一瞬にして表情がひきつる
「こ・こいつらぁ・・・・・」
そう。
買い物を頼んだのは「鶏肉」「豆腐」だけだったのに、なりなり率いる軍団は、手に手に
「ルービ1ケース」「焼酎」「ワイン」などを担いで現れたのだった。
しょっつる鍋、漢字で書くと「塩魚鍋」、秋田名産なのだ。
ただれた食生活を送ってきた面々には、何とも有難いご馳走ではないか!!
ハグハグと意地汚く食い尽くす。仕上げのウドン(きしめん)も酔い良い!
そして…・・・
後は終電綱渡り!
時間のわりには混み合っている小田急線の車内。
イイ感じになってるシトもちらほら見受けられる。
師走ならではの光景と言えるかもしれないけど・・・・
日曜の深夜近くだと言うのに、キミタチ!!!
って、自分も同類ですな。
でも・・・
恐らく、週末のアルコール消費量は、この車内の誰にも負けまい!
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