「週末の放浪者」TOP2軍>さらば! ライダー300人説

さらば! ライダー300人説


例えばの話です。
九州あたりのキャンプ場で一人のライダーと出会い、 焚き火を囲んで語りあったとします。
話の流れで、アナタはトモダチの勅使河原くん(仮名)の失敗談などを口にすると、その相手が
「えっ?ソレって勅使河原さんの事ですよね? その人、ボクのトモダチのトモダチですよ!」
などと叫んだら、アナタはどうします?
「マジすかぁ!!」
などとオドロき、あらためて 『ツーリングライダー、300人説』 に肯いたりしませんか?

ライダー300人説とは
ツーリング先では、上記のような出来事が頻繁におこるのです。
話をしてみれば、共通の知人がウジャウジャ出てきたり・・・・
約束をした訳でもないんだけれど、どこに行っても会っちゃうヤツがいたり・・・・
「こんなにアチコチで知り合いと繋がっちゃうんだから、実際にツーリングに出てるライダーは、300人くらいしか居ないに違いない」
これが、ライダー300人説の骨子です。
300という人数は適度に変動しながらも、永く広く語り継がれ、そしてライダーたちから愛されています。
証言1:
「藤原寛一夫妻(原チャリ世界一周)が主催する、インターネットジャーニー系のキャンプに参加しました。
 宴もたけなわな頃、隣で飲んでいた人の携帯に掛かってきた電話は、なんと自分のトモダチから!
 他には、GWの九州帰りのフェリーで宴会に混ざってた奴とかも・・・
 今更ながらライダー300人説の信憑性が確認出来た様な気がしました。」

証言2:
「自分の結婚式の二次会に参加してくれた人の中で、偶然、学生時代の友人に再会したという人がいました。
 もちろん2人ともライダーです。ライダー300人説も実証され、とても楽しかったです。」

証言3:
「実は’96夏の北海道で、おぐらんと会っていた事が発覚!
 霧多布の宿、『きりたっぷ里』で連泊して一緒にカヌーまでしていた。
 過去の写真を整理してて、似ている「濃い顔」と「Ninja」から
 もしかして?とおもって、聞いてみるとビンゴ!!
 「ライダー300人説」?はこんなとこでも...


そんなライダー300人説ですが、遂に終焉を迎えねばなりません。
実際にツーリングライダーを301人ほど集めちゃえば、 この説は自動的に崩壊する訳で、こんな例もあります。
証言4:
「OUTRIDER誌の宴に行っちゃいました。
 14:00前に現地到着した時点で既に360台を越えており、最終的には500台以上のバイク乗りが集まったとのことでした。
 世の中にはおバカさんがたくさん居るのねぇ。ライダー300人説も崩れちゃいました。」

しかし、コレをもって300人説を崩壊させては面白くありません。
ヘタしたら500人説、600人説に変わっちゃうだけですから。
机上で、コレを崩壊させる理論を登場させましょう。
そりは・・・・・
今をときめく『スモールワールド・ネットワーク理論』なのです。

この理論を極めて簡単に、そしてワタクシ的な解釈で、以下の例で説明します。

武藤敬司・橋本真也・蝶野正洋・坂口征二・三沢光晴・長州力・天龍源一郎・大仁田厚・小川直也・天山広吉・川田利明

ライダーとは無関係な名前を、敬称略・順不同で並べました。
仮に、上の名前の隣り合っている者どおしがトモダチで、 それ以外は、お互いの事を知らないとします。
(大仁田が知ってる相手は、天龍、小川の2人だけという意味です)
この場合、大仁田と三沢の関係を示しますと、
「友達の友達の友達」
という事になりなすが、橋本との関係に至っては
「友達の友達の友達の友達の友達の友達」
なんて感じで、全く無関係としか言えない状態です。
しかし、何らかの因縁で、橋本真也と小川直也が友達になったとします。
すると大仁田と橋本の関係は、イッキに 「友達の友達」 という事になり、三沢よりも近しい関係になるのです。
また、武藤と川田の関係も格段に向上するなど、大きく周囲にも影響します。
このように、
「少数の線で遠隔地を結ぶ事により、格段に伝達効率が向上する」
これがSWN(スモールワールド・ネットワーク)理論なのです。
1998年に発表され、グーグルも、この理論に従ってます。
ちなみに、この語源は、ネズミ遊園地(TDRとも言う)から起因してる訳ではありません。
ライダー300人説のような出来事に遭遇した場合
「いやぁ、世間は狭いねぇ」
などと言いたくなりますが、同じケースに遭遇したメリケン人は
「Its' a small world!!」
などと叫ぶ事からの命名です。

ところで、この理論で300人説が崩壊するのはナゼでしょうか?
それは、この理論に基づいたシュミレーションによりますと、 友人・知人を6段階ほど繰り返すと、 全世界の人々と繋がってしまうとの事なのです。
日本国内に限れば4段階で十分なのだそうで、コレは凄い事です。
試しに、アナタが乗った通勤電車で、隣で無駄に汗をかいている オトッツァンと語り合ってみましょう。
お互いに丹念に確認しあえば、 「知人の知人の知人の知人」 には収まってるという事なのです。

再び、一番最初に揚げたキャンプ場のケースを考えます。
「アナタ・知り合った相手・トモダチ・勅使河原」
この場合、3段階です。
繰り返しますが、日本人同士ならば、4段階で全員が繋がるのです。
という事は、3段階ぐらいでも、そこいらにウヨウヨと居るハズです。
それを確認するチャンスが少ないので、気が付かないだけなのです。
初対面の人とも仲良くなっちゃうツーリングライダーだからこそ、 コレが顕著に判明するだけなのです。


この理論を使わずに、計算式で「300人説」を崩壊させる手法も存在します。
それは、また別の機会に。

「2軍」に戻る
「週末の放浪者」 トップページへ