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天竜ブレア・ウィッチ(1994・静岡)


一人っきりのキャンプ

周りはファミキャンやグループばかりで・・・
と言うケースではなく、ホンットに一人きりで誰も居ないキャンプというのも何度か経験しました。
GWの対馬・壱岐もそうでしたが、対馬では近くに民家があったし、壱岐では広々とした明るい感じの場所だったので、何となく安心出来ました。
恐怖を感じたのは、まだ殆どがダートだった頃の「天竜スーパー林道」の中間地点あたりの駐車場で寝た時でした。

到着したのは夕方。
トイレも水飲み場も有る広々とした駐車場脇の草地にテントを張り、まだまだ走っているバイクを見送りつつ、おだやかにルービを飲みながら過ごす。
山並みに沈む夕日を眺めながらノンビリと夕飯を作り始めるうちに、やがて完全に暗闇となる・・・・・

空は曇り、星一つ見えない。
山深い為か夜景も見えず、ランタン無しでは全くの暗黒の世界。
やがて徐々に霧が発生し、ランタンを置いてあるテーブルの周りだけがボンヤリと、霧に反射する灯りで浮き上がって見える。
「ああ、この山の中に居るのは自分だけだ・・・」
などと思い、妙に気味悪さを感じていた矢先!!!!
林の中を、音も無くうごめく人影!!!
ドキドキドキドキドキ!!!!!!
それは・・・・
霧に写った自分の影。

居たたまれなくなって、大声で歌を歌ってみるけど続かない。
ウイスキーを飲んでも、酔いが回ってこない。
ついつい時計ばかりを見る。
「まだ7時」「まだ7時15分」「まだ7時半・・・・」
んもぉガマン出来ずに、8時にテントに潜り込んで寝てしまう。

クルマのエンジン音で目が覚める。
駐車場に入り込んで来て止まっているらしい。
時計を見ると11時。
「こんな時間にクルマとは・・・トイレ休憩かな?」
人の声はしない。
そしてフシギな音が!!!
キコキコキコキコキコキコ・・・・・
な・なんじゃぁぁぁ!!!!
旅人が寝静まった後に包丁を研ぐ「やまんば」の姿が目に浮かぶ。
恐る恐るテントから覗くと・・・

クルマで引っ張るタイプのキャンピングカー。
ジャッキ(?)のハンドルをキコキコ回し、地面に固定しているところでした。
「なんだお!!こんなに広い駐車場なんだから、わざわざピッタリ隣に来なくてもいいのに・・・・」
などと思いながらも・・・・
他にヒトが居るとなると勇気百倍!!!
先ほどまでの心細さも吹っ飛んで、グッスリと眠りにつけたのでした。

朝。
めし・撤収・出発までの間、キャンピングカーからは誰も出てこなかったので、挨拶どころか顔も合わせる事も無かったけれど、フシギな連帯感を感じつつ、
「穏やかな夜をありがとう!!」
などと心の中で礼を言いながら、続くスーパー林道をひた走るのであった。


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