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『日本教育技術方法体系 第１４巻 中学社会科指導大事典』 （明治図書）の２２７〜２２９頁の「活躍した商人たち」の修正・部分追試
冨士谷晃正（TOSS中学/滋賀）
『日本教育技術方法体系 第１４巻 中学社会科指導大事典』 （明治図書）の２２７〜２２９頁に収められている「活躍した商人たち」の修正・部分追試である。この論文をパーツに分け、室町時代に「馬借・問」が活躍したという内容の部分について、現在使用している教科書（東京書籍）や資料集『グラフィックワイド歴史』（東京法令出版）を使って実践したものである。
授業にすっと入る。
指示１ 教科書６１頁を開けます。
全員開けられているかを確認する。
指示２ 「市のにぎわい」を指で押させます。
追い読みで教科書「市のにぎわい」の最初の５行を読む。
発問１ 交通の要地には、物資の運送をあつかう何や何と呼ばれる運送業・倉庫業者が活動したのですか。教科書から見つけて線を引きなさい。
全員で答えを言わせて確認する。正解は「馬借や問」である。
その後、教科書（東京書籍）６１頁右上の「馬借」の資料を見るように言う。
説明１ 馬借とは、馬で荷物を運ぶ運送業者のことです。
次のように板書する。ノートに書かせる。
板書１ 馬借・・・馬で荷物を運ぶ
問・・・港に倉庫を持ち、船で荷物を運ぶ
ノートに全員が書いたのを確認してから、次の指示を出す。
指示３ 資料集６２頁を開けます。「日本地図」に指を置きなさい。
説明２ これは、各地方の特産品の書かれた地図です。
記号の意味を一つ一つ確認する。
指示４ 新潟県の直江津に指を置きなさい。
直江津に指が置けているか隣同士で確認させ、見つけられたら赤鉛筆で丸をさせる。そして次の指示を出す。
指示５ 新潟県の特産物は６つあります。何ですか。
資料集（東京法令出版）には、特産物として、金・さけ・麻布・紙・ろうそく・米が書かれている。列指名で一つずつ確認していく。
この６つを確認した後、次の指示を出す。
指示６ 福井県の敦賀を見つけなさい。
見つけられたら赤鉛筆で丸をする。琵琶湖、京都も同様の作業をさせる。
次のように板書し、ノートに写させる。
（ア ）
・年貢米、特産物の輸送（海路）
船
敦賀←←←←直江津
↓
↓
陸↓ （イ ）
↓ ・年貢米、特産物の輸送（陸路）
↓
↓ 船 陸
琵琶湖→→→→大津→→→→京都
(イ ）
発問２ ( )の中には何が入りますか、書き込みなさい。
正解をそれぞれ、全員に言わせる。アには「問」、イには「馬借」が入る。
修正点
永井学論文「活躍した商人たち」では、「馬借・問」という用語の定義をしないでいきなり上図の書かれたプリントを配布し、生徒に教科書を読ませ用語を記入させている。しかし本論分をそのまま追試するとプリントの中にどうしても記入できない生徒がいる。また、５分の時間をかけて記入させる間に生徒はだれてしまう。そこで、先に用語の定義をおさえてから、記入させていくように修正した。定義を先におさえ、しかも用語を二つに絞っているので、生徒はだれることなく記入することができた。