アメフトとはどんなスポーツか?

2001.10.11更新


 その起源をサッカーフットボールにもち、アメリカで絶大な人気を誇る究極のスポーツ、アメリカンフットボール。日本では何度かブームになりかけながらも、「すぐにプレーが中断しておもしろくない」、「ルールが難しそう」など見た目の単純さと実際の試合を見たときのギャップのために、なかなか定着してきませんでした。でも、本当にルールが難しいかというと、そんなことはありません。ゲームのルール自体は非常に簡単です。Ondy's Pageでは、観戦をするためのルール説明をメインにアメリカンフットボールの紹介をしていきます。


《ゲームの目的》
では簡単に「アメリカンフットボールってどんなゲーム?」かというと、それは陣取りゲームです。
楕円形のボールを相手方の陣地に持っていくのが最終的な目標になってます。

《シーズン》
アメフトのシーズンは、秋〜冬です。プロ(NFL)は9〜12月でレギュラーシーズンを行い、1月にはプレーオフ、1月の最終日曜日に年間チャンピオンを決めるスーパーボウルが行われてシーズンが終了します。また2月上旬にはオールスター戦のプロボウルがハワイで行われます。

その他、カレッジフットボールや日本の試合(高校・大学)でも大体9〜12月で日程が組まれています。Xリーグ(日本の実業団リーグ)では、春(優勝決定戦=パールボウル)と秋(優勝決定戦=東京スーパーボウル)の2シーズンがあるようです。

 

《ルールとゲームの流れ》

・フィールド
ゲームが行われるフィールドは、120ヤード×33ヤードの長方形で、両端にエンドゾーンと呼ばれる最終目的地が10ヤード取られています。
この中でプレーが行われます。ちなみに、横のライン(サイドライン)は、踏んだらアウトオブバウンドです。


注:この図は縦と横の縮尺があってません(^_^;)

・プレイヤー
一度にフィールドに出られるのは(プレーできるのは)、11人までです。「まで」と書いたのはそれ以下でも構わないからです。ただし、最低限の人数は決められています。
また、選手交代は自由です。一度フィールドを出た選手の再出場も可能です。ただし交代はプレーとプレーの間に行わなければなりません。

・プレー時間
1ゲームが4つ(クオーター)に分かれており、前半2クオーター、後半2クオーターで途中にハーフタイムが入ります。1クオーターは12分(カレッジルール)または15分(プロルール)になっています。プロのルールでは正味60分ですが、プレーの中断などで時計の計測がとまりますのでゲーム全体の時間は2〜3時間程度になります。

いよいよゲーム開始です!

・ゲームの始まり・・・の前に
アメフトは、ゲームの開始前にセレモニーを行います。フィールド中央に両チームの代表(選手)があつまり、陣地を取るかボールを取るかの選択権をコイントスで決めます。フィールドコンディションによほどの差がなければボール(レシーブ権)を選択することが多いようです。

・キックオフ
セレモニーで決まった陣地に両チームが分かれたらいよいよキックオフです。フィールドにはスペシャルチームといって、キッキング、レシーブ専門の選手が登場します。
キッキングチームがボールを敵陣に蹴り込んでゲームスタートです。
レシーブチームがボールをキャッチし敵陣目指して走りこみます。キッキングチームがボールをもっている人(キャリア)を倒せばそこでプレー終了です。キャリアがアウトオブバウンド(フィールドから外に出ること)になってもそこでプレーは終了です。

キックオフは試合開始の他、どちらかのチームが得点した時や後半開始の時にも行います。
得点後は、セーフティ(後述します)という特別な場合を除いて得点をあげたほうが、後半開始時には前半にレシーブしたチームがキッキングを行います。

・オフェンス1
キッキングゲームでレシーブしたほうが攻撃(オフェンス)を開始します。
攻撃は4回(ダウンといいます)行うことができ、この4回の攻撃で10ヤード(約9.14メートル)進むことができればさらに4回の攻撃権を得る(ファーストダウンといいます)ことができます。ちなみに1回目の攻撃をファーストダウン、以降それぞれセカンドダウン、サードダウン、フォースダウンと呼びます。
残念ながら10ヤード進めなかった場合は相手に攻撃権が移ります。

大まかなルールはこれだけです。簡単ですよね?

では、細かいルールを少しだけみてみましょう。
・オフェンス2
では、1回のプレーとはどこからどこまでかを説明していきます。
プレーの開始は、ある地点に置かれたボールが動いた瞬間です。センターというポジションのプレーヤーがボールをひざの下を通して後ろにいる選手(普通はクオーターバック)に渡します(スナップといいます)。これが攻撃の始まりです。
プレーの終わりは、ボールを持っている選手が倒れたときかフィールドの外に出たとき(ボールデッド)、前方向に投げた(パス)ボールがキャッチされずに地面についたとき(パス失敗:パスインコンプリート)です。

・攻撃権の移動1
攻撃権は、上に述べたとき以外にも以下の時に移動します(ターンオーバーといいます)。
a.オフェンスが投げた前パスを守備陣(ディフェンス)がキャッチしたとき
b.ボールを確保しているオフェンスのプレイヤーがボールを落とし(ファンブルといいます)、ディフェンスにとられたとき

・攻撃権の放棄
攻撃権は4回与えられていますが、4回目の攻撃でファーストダウンを獲得できない場合、ボールデッドになった地点から相手の攻撃が始まります。自陣深くで相手の攻撃になっては失点の可能性が大きいので、4回目の攻撃を放棄してパントという戦術を取るのが一般的です。
パントとは、スナップされたボールをパンターと呼ばれるプレーヤーが相手陣内にボールを蹴りいれることです。蹴った瞬間に攻撃権は相手に移ります。

・得点方法
得点には以下の方法があります。

a.タッチダウン(6点)
 ボールを相手エンドゾーンに持ち込む方法です。一番基本的な得点方法です。

b.フィールドゴール(3点)
 ボールを蹴ってエンドゾーン後方のポールの間に通す方法です。タッチダウンを狙えそうもない場合にとる次善の策です。

c.トライフォーポイント(キック1点、プレイ2点)
 タッチダウンをあげると与えられる1回かぎりの攻撃です。エンドゾーン手前3ヤードから攻撃を開始して、フィールドゴールの様にキックで1点、タッチダウンの様にボールを持ち込めば2点与えられます。

d.セーフティー(2点)
 守備側が獲得できる唯一の得点です。相手エンドゾーンでオフェンスをボールデッドにします。
 通常、得点を挙げたチームは次のキックオフではキッキングを行いますが、セーフティーの場合はオフェンスだったチームがキックします。

 

これはやってはいけません!(反則)
アメフトは体同士がぶつかり合う(コンタクト)激しいスポーツですから、危険な行為は怪我につながります。これを防ぐためのルールがいくつかありますので説明していきます。

a.ホールディング
 手の不正使用です。オフェンス側は相手をつかむことが禁止されていますが、このルールを犯したときに適用されます。またディフェンスはつかむこと自体はできますが、不正につかむことは禁止されています。

b.オフサイド
 プレーが始まる直前には、オフェンス、ディフェンスはそれぞれボールより後方(自陣寄り)にいなければいけませんが、これを犯したときに適用されます。

c.イリーガルモーション、フォールススタートなど
 オフェンスが犯す不正な動作です。オフェンスはプレー開始前1秒間は静止しなけれならず、プレーが始まってからでないと動いてはいけないのですがこれを守らなかったときに適用されます。

d.クリッピング
 キャリア(ボールを持っている人)以外のコンタクトは、体の正面から行わなければならないのですが、これを犯した場合適用されます。

e.フェイスガード
 ヘルメットについているフェイスガードですが、これをつかんだりすると首をひねったりして大変危険なため、重い罰則が適用されます。普通、触っただけでも5ヤード、つかんでひっぱたりすると15ヤードの反則です。

反則を犯すと陣地が後退します。どのくらい後退するかは犯した反則の内容によって違いますが、5〜15ヤードが多いです。
反則があるとレフェリーやアンパンヤが黄色い布を投げますが、多くの場合プレーは続行します(いくつかの反則は発生した時点でプレーが中断します)。また、アメフト独特のルールで、反則を受けた側が、反則の適用をするか否かを選択できます。例えばディフェンスが5ヤードの反則を犯したときにオフェンスで10ヤード進んでいたときは反則を取らないほうが陣地を多く獲得できますから、反則を適用しないというわけです。

そのほかにもいろいろありますが、他のページで説明していく予定です。 

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