メール



めずらしく朝早くに目が覚めた。
TVをつけたらちょうど芸能ニュースがやっていた。
「は!?」
思わず動きが止まってしまった。
TVに映っていたのは良く知っている人たちだった。
『LUNA SEA解散!!』
彼らの映像から女性アナウンサーに映像が変わる。
そして、すぐ別の話題に変わってしまう。
慌ててチャンネルを変える。
別の局では、ちょうどその話題が始まったところだった。
『12月27日の東京ドームで解散、という事ですが…。彼らは終幕と表現していますね。』
『今日夕方からメンバー揃っての会見があるので、明日続報をお送りしたいと思います。』
知りたい情報はなに一つ知る事が出来なかった。
結局わかった事は12月27日で解散してしまう事と、5人は今香港にいる、ということだった。
「香港にいるなんて…知ってんだよ。」


彼らが自分の名前の付けたアルバムを出すと知ったときに感じた胸騒ぎ。
その意味がようやく分かった気がした。


「…あいつ…このこと知ったら…」
誰よりも繊細で寂しがりやで優しい自分の恋人を思い浮かべる。

ピリリリ…
携帯のメールが来た音がする。
「ん〜誰だぁ…?」

『どうして…どうしてみんないなくなるの?』
見た瞬間誰からのメールかすぐに分かった。

急いで着替えて部屋を飛び出す。
愛車のカウンタックを走らせる(笑)
しかしあいにく朝のラッシュの時間帯なためなかなか前に進まない。
苛々しながら車を運転して、目的地にたどり着いたのはメールが来てから一時間後の事だった。


「タクロウ!!」
部屋に飛びこむと、部屋の真ん中で背中を丸めて座りこんでいた。
消されていないTVから笑い声が聞こえる。
「ひさしぃ…」
小さい声で呟く。
駆け寄ってタクロウを抱きしめる。
「泣くな、泣くなよタクロウ。」
「ひさしぃ…なんでぇ?俺…なにも聞いてないよ…だって…SUGIZOさん…」
「泣くなよ。もう2度と逢えない、ってわけじゃないんだし…」
「でもっ…」
「俺がいるだろ?オマエの側には俺がいる。それじゃ不満なのかよ」
「ヒサシ…」
「だから…もう泣くな。な?」
「…うん…ヒサシ…ありがと。」
ヒサシはタクロウの涙を指で拭う。



はい。終わりです。
ヒサタクでした。
え〜、LUNA SEA解散にショックを受けるタクロウとそれを慰めるヒサシでした。
なんか…これ以上かくと…墓穴ほりそうなんで、やめまーす。
ていうか、タクロウはやっぱりショック受けたんですかね?