スノーホワイト
「おはよ、ジロウ」
「ん〜?てるぅ…?」
「そだよ。おはよv」
ベッドからもそもそと顔を出すJIRO
「おはよ…」
まだ眠そうな顔で、でも笑顔でTERUに返事をする。
TERUはニコニコしながらJIROの顔を見ていた。
JIROはボーっとしていたが、何故かまた布団の中に潜ってしまう。
「ジロウ?どうしたの?」
「…」
「ジロウ?」
TERUが優しく呼ぶと、ちょっとだけ顔を出して何か言いたそうな顔をしている。
「ん?」
「だって…テルが…」
「なに?」
「…してくれなかった…。」
「…え?聞こえなかった。なに?」
「…してくれなかった…おはようのチュウ…」
ちょっと顔を赤くして、JIROが答える。
TERUはくすっ、と笑って
「ああ、そっか。ごめんね」という。
まだクスクス笑っている。
「…テルなんか嫌い…」
ほっぺたを膨らませてJIROが怒っている。
「ごめんね、ジロウ」
TERUはJIROの唇に軽くキスを落とす。
「機嫌直った?」
「…うん。おはよ」
「おはよ、ジロウ」
「白雪姫は王子様のキスで目覚めるんだよ。」
JIROはもう機嫌が直ったらしく、笑顔でTERUにそう言う。
「じゃあ俺は、白馬に乗った王子様ってこと?」
そう言って笑いながら、もう一度キスをする。
TERUが一度唇を離すと、JIROがTERUの首に腕を回してきた。
今度は自分からキスをする。
「このお姫様はずいぶん積極的だねぇ」
「だって…テルの事好きだもん。」
TERUはそのままJIROを抱えて起きあがる。
「さて、朝ご飯何食べる?っていってももう昼だけど」
「ん〜えっとねぇ…」
首を傾げて考えている姿は、ホントに可愛らしくて思わず押し倒そうになるTERU
JIROに気づかれないように手を伸ばすと…
「あ!!」
「うわっ!な、なに?」
TERUが手を引っ込めて驚いていると、JIROがきょとんとした顔で見ている。
「どうしたの?」
「いや…なんでもないよ。あはは」
笑ってごまかすと、JIROはふーん、と気のない返事をしている。
「ジロウはどうしたの?」
「あ、そうだ!あのね、あのね」
JIROは子供のようにあのねを繰り返している。
「なに?何か食べたいの?」
TERUが聞くと、
「うんっ!あのね、ホットケーキ!!」
「ホットケーキ?」
「うん!だって、昨日生クリーム買ってきたでしょ?」
「あ、そっか。蜂蜜もあるもんね。」
「うんっ!ね、いいでしょ?」
「そだね。よし、おいしいの作ってあげるね。だから良い子にしててね。」
「はーい。…ねえ、てるぅ」
「ん?」
「作ってるとこ見てていい?」
「いいよ。」
テルが台所でホットケーキを作っている所をJIROはダイニングのテーブルに座って眺めていた。
その様子はまるで母親のおやつを今か今かと待っている子供の様である。
ま、今の状況はそれと大差ないのだが。
「はい、どーぞ」
TERUの手には美味しそうなホットケーキが。
JIROはそれに山程生クリームを乗せる。
「ジロウはホント甘いの好きだねぇ。」
TERUがかけているのは蜂蜜。しかも少量である。
ちなみにTERUの家になぜ蜂蜜があるかは…
別に夜使ってる訳ではないですよ(笑)。
ボーカリストに蜂蜜は欠かせないから。それだけです。ホントに。
「美味しい?」
「うん!テルの作るもので美味しくないものなんかないもん。」
「ありがと。」
「あとね…料理してるときのテルって…かっこいいよ。」
「…料理してるときだけ?」
「…もうっ、テルの意地悪……いつも…カッコ良いもん。
歌ってる時のテルもかっこいいよ。大好きだよ(はあと)」
JIROの笑顔にTERUはもうイチコロです。(古っ)
「ジロ…」
TERUは席を立ち、向かい側に座ったJIROの顎を持ちキスをする。
わずかな隙間にTERUの舌が入りこむ。
「ん…ふぅ…」
思う存分味わったTERUが一言。
「生クリームの味だね」
と言うと、濡れた唇でJIROが負けじと答える。
「テルは蜂蜜の味がした。」
クスクス
2人は顔を合わせて笑う。
「食べよっか」
「うん」
ホットケーキを食べながら、2人は話しを続ける。
「ねぇねぇ」
「ん?」
「僕が白雪姫で、テルが王子様だったら…」
「うんうん」
「ヒサシくんは…白雪姫に毒りんごを飲ませた魔女?」
「ブッ!」
思わず噴出すTERU。
「あ、きたなーい」
「ごめんごめん。ちょっと想像しちゃってさ」
TERUが噴出すのも無理はない。
だって…ちょっとはまり過ぎ(笑)。
「ぴったりじゃない?」
「はまり過ぎだね。じゃあ…タクロウは?」
「うーん。タクロウくんはぁ…7人の小人の1人かな。」
「…やっぱり影薄いんだね。」
「だって…わかんない。ヒサシくんほどインパクト強くないもん。」
「しょうがないか。タクロウだもんね。」
2人ともTAKUROに対してひどい扱いである。
TAKUROが聞いたら怒るだろうに。
「ごちそうさま」
「おそまつさまでした。」
「ねえ、これから何するの?」
気づけばもう夕方である。素朴な疑問を投げつけたJIROに
「ん?俺がジロウを食べるの。」
と、TERUは平然と答える。
「えっ…」
JIROの顔は真っ赤になっている。
「だめ?」
「…ぃぃょ…」
「なに?」
「……いいよ……食べても…」
真っ赤な顔を更に赤くして答えるJIRO。
JIROの可愛さにやられたTERUはJIROを攫ってベッドまで行く。
JIROをベッドに縫い付けて、キスを落とす。
キスだけで、もう頬を赤く染めている。
「テル…テル…」
「なあに?」
「…カーテン閉めて…恥ずかしい…」
もう何度も体を重ねていると言うのに、JIROはいまだに慣れないらしい。
そこが可愛いところではあるのだが。
TERUは手早くカーテンを閉めて、再びベッドに戻る。
「ん…やあっ…」
「やじゃないでしょ?」
「あ…っ…もっと……もっと…して…」
「どうしてほしいの?ん?」
「あ…いじわる……」
2人の夜(まだ夕方だけど)は、まだまだ続きそうである。
邪魔するなとてるひこがにらんでるので、この辺で退散するとしましょう(爆)
end
1000をゲットしたゆかさんのリクエストで甘々のテルジロでした。
私がテルジロをかくと、どうしても3人称になってしまうのです。
たぶん、2人ともお互いの事しか考えてないので、バカバカしいのかも。
ヒサシが魔女…ら辺の件は、思い付きです。
姫と王子様がいたら、魔女がいないとねぇ。
ゆかさん、リク答えられてますか?おそくなってごめんね。
ご感想お待ちしておりマス。ドキドキ。