「HBD??」


「たくろー、おめでとー!!」
テルの声を合図に、皆がグラスを高く掲げる。
カチン、とグラスがぶつかる音がする。
「たくろう君、とうとう30だね。」
「男は30からだっつーの!!」
「あははは」
「タクロウ、おめでとう」
「ありがと、ヒサシ」
「たくろーももうおじさんだねっ!」
「てっこだって、もうすぐだろーが!」
もうすぐ30とはいえ、いつまでたっても心は少年のてっこだった(笑)
「まあまあ、とにかく飲もうぜ。とっておきのワイン、持ってきたんだからな」
「マジ?!あー、これ俺が前に飲みたい!って言ってたヤツだー。トノ覚えててくれたんだー!?
ありがと、とのvv」
「…誕生日だからな」
「あーとの君ずるーい!たくろう君、俺だって、プレゼント持ってきたんだよぉ!」
「たくろー、俺だって持ってきたよ〜!」
「はいはい。ありがと」

ピンポーン
「あ、お客さんかな?」
「タクロウ誰か呼んだ?」
「いやー…どうだったかな?ちょっと出てくるね」
「んー」
「はいはい。誰ですかー…」
呟きながら玄関を開けると、目の前が真っ赤だった。
「うわっ」
「タクロウ、おめでとう」
「スギゾ−さん!?」
そこに立っていたのは、SUGIZOだった。
「はい、これプレゼント」
と、抱えていた真っ赤なバラの花束をタクロウに渡す。
タクロウの腕にも余るほど抱えきれない位の数である。
「スギゾ−さん…俺、男ですよ?」
「可愛い子には花束だろ?」
「可愛いって…30にもなる男にそんな事言うの、スギゾ−さんだけですよ…」
そう照れながら言うと、スギゾ−はくすっと笑って答えた。
「そこに3人いるだろ?」
と指を指す。
「たくろー、誰だったのー?」
てっこがリビングから大声で叫んでいる。
(よくあんなでかい声でるよなぁ/笑)
「ちょっと3人ともおいでよー!」
「なにぃ?」
「なーに?」
「なんだよー」
「いーからー」
3人とも俺がスギゾーさんと話している間にあけたらしく、ワイングラスを持っている。
「もうワインあけたのか?!」
「いいじゃーん。あ!スギゾ−さん!!」
テルが叫ぶ
「「なんでいるんですか!?」」
言葉は丁寧に、でも棘を含んだ声でジロウとヒサシが言う。
「ずいぶんな挨拶だねぇ、3人とも」
「だって…なぁ」
スギゾーには聞こえない声で、(スギゾ−さん来ると、タクロウ取られちゃうし…)と3人とも呟いていた。
「スギゾ−さんも入ってくださいよ」
「いいの?」
「もちろん!!」
「えっ?!」
「どうしたんだよ、3人とも。スギゾーさんせっかく来てくれたのに」
「俺お邪魔かな?それなら帰るけど?」
「そんなことないですって!上がってくださいよ!」
「そう?じゃ、遠慮なく」

「はい。これは俺からの差し入れ」
スギゾーが手にもっていた紙袋から中身を取り出す
「いいんですかー?」
テルが嬉しそうに、差し入れだというこちらもかなり年代もののワインを受け取った。
「俺も飲む」
「タクロウはダメ」
「え〜なんでですか〜?」
ずるい、と怒るタクロウに、スギゾーはまたクスッと笑って紙袋からもう一本のワインを差し出した。
「なんですか?」
首を傾げて差し出されたワインのラベルをマジマジと眺め、突然何かに気づいたようで、「あっ!」と声をあげる。
「これ…俺の生まれた年のだ…」
「もう一つのプレゼント。俺が開けてあげるよ」
と、手なれた手つきでワインのコルクを開ける。
「ワイングラスは台所?」
「あ、俺とってきますよ」
「主役は座ってればいーの」
スギゾ−は立ちあがって台所からグラスを持って来て、注いでタクロウに手渡す。
「はい」
「あ、ありがとうございます…。…あ、美味しい…。」
「スギゾ−さん、俺も飲みたぁい」
テルの「いいなぁ」の言葉に、
「だーめ、タクロウの為に買ってきたの。君たちはそっちの飲んでなさい」
「なんで〜〜!タクロウの生まれた年、って事は俺の生まれた年でもあるのにぃぃぃ」
テルはジタバタしている。
「テルくん、こっちも美味しいよ」
ジロウの一言で、「ホント?!」とあっさりと目の前のワインに興味を移す。

スギゾーも交えて、誕生日パーティと称した飲み会は更に続いた。


いつのまに眠ってしまったのだろう。
ジロウは微かな物音に反応して目を覚ました。
「ん…?誰…?」
周りをきょろきょろ見まわすと、タクロウの寝室から押し殺した声がした。
「タクロウ…くん…?」
誰か掛けてくれてたのか、毛布を剥いで、
脇に寝ているテルとヒサシをまたいで、のそのそと寝室へ向かう。
「あ…開いてる…。タクロウくん…いるの…?」
ジロウが寝室をそーっと覗くとそこでは…

「ちょっ…3人が…起きちゃう…」
「大丈夫。酔いつぶれてるから、当分起きないよ」
「そんなっ…ひゃあっ…あぁっ」
「タクロウ、ホント可愛いねぇ」
「んっ…そんなこと言うの…スギゾーさん…だけっ…」
「そう?ま、ライバルは少ないにこしたことはないからね」

聞こえたのは、タクロウの喘ぎ声。
いつのまにか、スギゾーに脱がされたのか、服を着ていない。
スギゾーに胸の突起を弄られ、声を上げまいを押し殺した声を出している。



第2話へ。

タクロウ誕生日小説です。大分遅いですが(汗)
とりあえず、寸止めです。続きはこれから書きますよ。
なんだタクロウがスギゾーにぃぃ!と思ってる方もいらっしゃるかと…。
それはこれから分かりますよ。徐々に。