仏像シリーズ

仁王





  奈良県・興福寺の国宝館に安置されている。鎌倉時代、定慶という仏師によって作られたといわれているが、徹底した写実的な表現を行っている。帝釈天は、いつもやさしく静かな表情であるが、悪魔の大軍に直面した瞬間に変身して、上半身裸の二神となり、悪魔の大軍を左右から攻め亡ぼすといわれている。二神の一体は開口して大音声を発しながら敵陣に突っ込み、他の一体は閉口して逃げ惑う悪魔たちを撲滅する。この二神を「仁王」とか「二王」とか「金剛力士」と呼ぶのである。