道路運送事業法
道路運送事業の適正な運営及び公正な競争を確保するとともに、道路運送に関する秩序を確立することにより、道路運送の総合的な発達を図り、公共の福祉を増進することを目的としています。
道路運送事業は、旅客自動車運送事業、貨物自動車運送事業及び自動車道事業をいいます。

旅客自動車運送事業

一般旅客自動車運送事業

一般乗合旅客自動車運送事業

 

 

(定期バス等)一般貸切旅客自動車運送事業

 

 

(観光バス等)一般乗用旅客自動車運送事業

 

 

(タクシー、ハイヤー等)(乗用定員10人以下)

 

(スクールバス等)特定旅客自動車運送事業

 

 

(旅館等の送迎バス)無償旅客自動車運送事業

 

貨物自動車運送事業

貨物自動車運送事業法による。

自動車道事業

一般自動車道(専ら自動車の交通の用に供する道)

 

専用自動車道(自動車運送事業者が自動車運送事業の用に供する道)

一般乗合旅客自動車運送事業

路線を定めて定期に運行する自動車により乗合旅客を運送する事業

一般貸切旅客自動車運送事業

前記及び後記の事業以外の旅客運送事業

一般乗用旅客自動車運送事業

1個の契約により乗車定員10人以下の自動車を貸し切って旅客を運送する事業:一般的なタクシーと個人タクシーとがある。

一般旅客自動車運送事業
1 事業経営の許可(乗合・乗用)
一般乗合旅客自動車運送事業又は一般乗用旅客自動車運送事業(以下「一般乗合旅客自動車運送事業等」といいます。)を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければなりません(法4条1項)。この場合、国土交通大臣は、許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならないものとしています。

免許制から許可制に変更され、新規参入が容易となりましたが、競合路線について、クリームスキミング的運行(ピーク時のみを集中的に運行すること。)について、基準が設けられた。

1.営業開始の適正性 4.最低車両数 7.停留所 10.資金計画
2.営業所 5.自動車車庫 8.管理運営体制 11.法令順守
3.自業用自動車 6.休憩仮眠施設 9.運転者 12.損害賠償能力
2 事業経営の許可(貸切)

一般貸切旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければなりません(法42条の2第1項)。この場合、国土交通大臣は、許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならないものとしています(法42条の2第3項)。

1 当該事業の計画が輸送の安全を確保するため適切なものであること
2 1のほか、当該事業の遂行上適切な計画を有するものであること
3 当該事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること
また、一般貸切旅客自動車運送事業の許可を受けようとする者の欠格事由については、欠格事由(法7条)を準用することとされています(法42条の2第4項)。
一般貸切旅客自動車運送事業の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければなりません(法42条の2第2項)。
1 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2 営業区域、営業所の名称及び位置、営業所ごとに配置する事業用自動車の数その他の国土交通省令で定める事項に関する事業計画
3 前記2.における一般貸切旅客自動車運送事業の事業計画の記載事項は、次のとおりとなっています(規26条の3)。
A 営業区域
B 主たる事務所及び営業所の名称及び位置
C 営業所ごとに配置する事業用自動車の数
D 自動車車庫の位置及び収容能力。なお、一般貸切旅客自動車運送事業の許可申請書には、必要書類の添付を要します(法42条の2第4項、規26条の2第2項)。
3 運賃及び料金の認可・届出
一般乗合旅客自動車運送事業者等は、旅客の運賃その他運輸に関する料金(特別座席料金等を除きます。)を定め、又はこれを変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(法9条1項)。
4 運送約款の認可
一般旅客自動車運送事業者は、運送約款を定め、又はこれを変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければなりません(法11条1項・42条の2第13項)。この場合、国土交通大臣は、認可をしようとするときは、次の基準によって、これをしなければならないものとしています(法11条2項・42条の2第T3項)。
公衆の正当な利益を害するおそれがないものであること
少なくとも運賃及び料金の収受並びに一般旅客自動車運送事業者の責任に関する事項が明確に定められているものであること
なお、国土交通大臣が一般旅客自動車運送事業の種類に応じ標準運送約款を定めて公示した場合(変更して公示した場合を含みます。)において、当該事業を経営する者が、標準運送約款と同一の運送約款を定め、又は現に定めている運送約款を標準運送約款と同一のものに変更したときは、その運送約款は認可を受けたものとみなされます。
5 運行管理者の届出
一般旅客自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、次に掲げる営業所ごとに、一定の要件を備える者のうちから、運行管理者を選任し、営業所の所在地を管轄する陸運支局長に届け出なければなりません。
一般乗合旅客自動車運送事業者にあっては、事業用自動車の運行を管理する営業所
一般貸切旅客自動車運送事業者にあっては、事業用自動車の運行を管理する営業所
一般乗用旅客自動車運送事業者にあっては、事業用自動車5両以上の運行を管理する営業所
一般貸切旅客自動車運送事業者は、前記イの営業所において、当該営業所が運行を管理する一般貸切旅客自動車運送事業の用に供する自動車の数を30で除して得た数け未満の端数は切捨て)に1を加算して得た数以上の運行管理者を選任しなければなりません。
特定旅客自動車運送事業
1 事業経営の許可
特定旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、路線又は事業区域を定め、国土交通大臣の許可を受けなければなりません(法43条1項)。この場合、国土交通大臣は、許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならないものとしています(43条3項)。
当該事業の経営により、当該路線又は事業区域に関連する他の旅客自動車運送事業者による一般旅客自動車運送事業の経営及び事業計画の維持が困難となるため、公衆の利便が著しく阻害されることとなるおそれがないこと
当該事業の計画が輸送の安全を確保するため適切なものであること。また、前記の許可については、欠格事由の規定が準用されています(法43条4項)。
2 準用規定による許認可
一般乗合旅客自動車運送事業等における事業計画の変更(法15条)、天災等の場合における他の路線による事業の経営(法7条)、運行管理者(法23条)の規定が、特定旅客自動車運送事業に準用されています(法43条5項)。
3 運賃及び料金の届出
特定旅客自動車運送事業者は、旅客の運賃その他運輸に関する料金を定め、又は変更しようとするときは、国土交通大臣に届け出なければなりません(法43条6項)。
なお、この届出手続については、後掲特定旅客自動車運送事業における「運賃及び料金設定届出書」「運賃及び料金変更届出書」を参照してください。
無償旅客自動車運送事業
1 事業経営の届出

無償旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、当該事業の開始の日の10日前までに、国土交通大臣に届け出なければなりません。届出した事項を変更しようとするときも同様です。