国際船舶・港湾保安法(略称)について |
国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(平成16年法律第31号)は、国際航海船舶及び国際港湾施設についてその所有者等が講ずべき保安の確保のために必要な措置を定めることにより国際航海船舶及び国際港湾施設に対して行われるおそれがある危害行為の防止を図るとともに、保安の確保のために必要な措置が適確に講じられているかどうか明らかでない国際航海船舶の本邦の港への入港に係る規制に関する措置を定めることにより当該国際航海船舶に係る危害行為に起因して国際航海船舶又は国際港湾施設に対して生ずるおそれがある危険の防止を図り、併せてこれらの事項に関する国際約束の適確な実施を確保し、もって人の生命及び身体並びに財産の保護に資することを目的として定めた法律です。
平成16年7月1日から施行されます。
この法律の制定までの経過 |
2001年の9・11テロ事件を受けて、アメリカでは、2002年11月に海事保安法を成立させました。この法律は、外国港湾のテロ対策の有効性をアメリカが評価し、テロ対策が不十分な港湾には改善策を勧告し、適切な処置がとられなかった場合は、その港湾で積み荷した船舶に対し、アメリカへの入港を拒否することができるというものです。
この法律の成立を受けて2002年12月IMO(国際海事機関)において海上人命安全条約(SOLAS=ソーラス条約)が改正され、2004年7月1日(条約発効予定日)までに、船舶と港湾施設の保安対策を強化することが義務づけられました。
解 説 |
この法律は、
第一章 総則(第一条−第三条) 第二章 国際航海船舶の保安の確保 第一節 国際航海日本船舶に関する措置(第四条−第二十三条) 第二節 国際航海外国船舶に関する措置(第二十四条−第二十七条) 第三章 国際港湾施設の保安の確保 第一節 国際埠頭施設に関する措置(第二十八条−第三十五条) 第二節 国際水域施設に関する措置(第三十六条−第四十三条) 第四章 国際航海船舶の入港に係る規制(第四十四条−第四十六条) 第五章 雑則(第四十七条−第五十四条) 第六章 罰則(第五十五条−第六十五条)
について定められ、@日本船舶(100トン以上の旅客船、500トン以上の旅客船以外の船舶)はおよそ110隻+α(官庁船等)が対象で、世界では、およそ1万2千隻が対象です。(日本の便宣置籍船は、おおよそ2,000隻です。) 注 しっかりした統計はありませんので2004年当初推定です。
日本の港湾では、おおよそ110港(旅客船は年1回以上、貨物船は年12回以上外航船が入港する港)が対象となります。
関連規則 |
国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律施行令 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律施行規則 船舶安全法施行規則
対象手続き(国際航海船舶) |
NK船級船の場合、(500トン以上の貨物船) ○船舶の履歴記録交付・書換申請 ○船舶保安証書交付申請・書換・再交付申請 ○臨時船舶保安証書交付申請
NK船級船以外の場合(旅客船(100トン以上)・原子力船) ○船舶保安既定承認申請・変更承認申請 ○船舶安全検査申請・検査引継申請 ○船舶保安臨時航行検査申請 ○船舶保安証書交付申請・書換・再交付申請 ○臨時船舶保安証書交付申請 ○船舶安全管理者の選任・解任届 ○船舶安全管理者の選任・解任等変更届 ○船舶安全統括者の選任・解任届 ○船舶安全統括者の選任・解任等変更届
法適用外船舶 |
1 漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項第一号に規定する漁船 2 推進機関を有しない船舶 3 国が所有し又は運航する船舶であって非商業的日的のみに使用されるもの 4 スポーツ又はレクリエーションの用に供するョット、モーターボートその他これらに準ずる船舶 5 前各号に掲げるもののほか、国土交通大臣がその航海の目的、態様、運航体制等を勘案して船舶の保安の確保上差し支えないと認めた船舶