港則法

港則法(こうそくほう、昭和23年7月15日法律第174号)は、港内における船舶交通の安全及び港内の整とんを図ることを目的とした法律で、港内での港湾工事の許可、端艇競争、ドックの出入り、水運や漁労の制限を規定しています。

第七章  雑    則

(工事等の許可及び進水等の届出)

第三十一条 特定港内又は特定港の境界附近で工事又は作業をしようとする者は、港長の許可を受けなければならない。

  2   港長は、前項の許可をするに当り、船舶交通の安全のために必要な措置を命ずることがで
きる。

第三十二条 特定港内において端艇競争その他の行事をしようとする者は、予め港長の許可を受けなければならない。

第三十三条 特定港の国土交通省令で定める区域内において長さが 国土交通省令で定める長さ以上である船舶を進水させ、又はドツクに出入させようとする者は、その旨を港長に届け出なければならない。

第三十四条 特定港内において竹木材を船舶から水上に卸そうとする者及び特定港内においていかだをけい留し、又は運行しようとする者は、港長の許可を受けなければならない。

  2  港長は、前項の許可をするに当り船舶交通安全のために必要な措置を命ずることができる。

(漁ろうの制限)

第三十五条 船舶交通の妨となる虞のある港内の場所においては、みだりに漁ろうをしてはならない。

(灯火の制限)

第三十六条 何人も、港内又は港の境界附近における船舶交通の妨となる虞のある強力な灯火をみだりに使用してはならない。

  2  港長は、特定港内又は特定港の境界附近における船舶交通の妨となる虞のある強力な灯火を使用している者に対し、その灯火の滅光又は被覆を命ずることができる。

(喫煙等の制限

第三十六条の二 何人も、港内においては、相当の注意をしないで、油送船の附近で喫煙し、又は火気を取り扱つてはならない。

  2  港長は、海難の発生その他の事情により特定港内において引火性の液体が浮流している場合において、火災の発生のおそれがあると認めるときは、当該水域にある者に対し、喫煙又は火気の取扱いを制限し、又は禁止することができる。ただし、 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律第42条の51項の規定の適用がある場合は、この限りでない。

(船舶交通の制限等)

第三十六条の三 特定港内の 国土交通省令の定める水路を航行する船舶は、港長が信号所において交通整理のため行なう信号に従わなければならない

  2  総トン数が 国土交通省令の定めるトン数以上である船舶は、前項の水路を航行しようとするときは、国土交通省令の定めるところにより、港長に当該水路を航行する予定時刻を通報しなければならない。

  3  第一項の信号所の位置並びに信号の方法及び意味は、国土交通省令で定める。

第三十七条 港長は、船舶交通の安全のため必要があると認めるときは、特定港内において航路又は区域を指定して、船舶の交通を制限し又は禁止することができる。

  2  前項の規定により指定した航路又は区域及び同項の規定による制限又は禁止の期間は、港長がこれを公示する。

  3  港長は、海難の発生その他の事情により特定港内において船舶交通の危険が生じ、又は船舶交通の混雑が生ずるおそれがある場合において、当該水域における危険を防止し、又は混雑を緩和するため必要があると認めるときは、必要な限度において、当該水域に進行してくる船舶の航行を制限し、又は禁止することができる。ただし、 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律第42条の8の規定の適用がある場合は、この限りでない。

(原子力船に対する規制)

第三十七条の二 港長は、 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第166号)第三十六条の二第四項の規定による国土交通大臣の指示があつたとき、又は核燃料物質(使用済燃料を含む。以下同じ。)、核燃料物質によつて汚染された物(原子核分裂生成物を含む。)若しくは原子炉による災害を防止するため必要があると認めるときは、特定港内又は特定港の境界付近にある原子力船に対し、航路若しくは停泊し、若しくは停留する場所を指示し、航法を指示し、移動を制限し、又は特定港内若しくは特定港の境界付近から退去することを命ずることができる。

  2  第二十一条第一項の規定は、原子力船が特定港に入港しようとする場合に準用する。

(準用規定)

第三十七条の三 第十条、第二十六条、第二十九条、第三十一条、第三十六条第二項、第三十六条の二第二項及び第三十六条の三から前条までの規定は、特定港以外の港にこれを準用する。この場合において、これらに規定する港長の職権は、当該港の所在地を管轄する管区海上保安本部の事務所であつて国土交通省令で定めるものの長がこれを行うものとする。

(行政手続法の適用除外)

第三十七条の四 第十条(前条の規定により準用する場合を含む。)、第二十一条第一項(第三十七条の二第二項(前条の規定により準用する場合を含む。)の規定により準用する場合を含む。)又は第三十六条の二第二項若しくは第三十七条第三項(これらの規定を前条の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分については、行政手続法(平成五年法律88号)第三章の規定は、適用しない。

  2  前項に定めるもののほか、この法律に基づく国土交通省令の規定による処分であつて、港内における船舶交通の安全又は港内の整とんを図るためにその現場において行われるものについては、行政手続法第三章の規定は、適用しない。

(特定港)

2  法第3条第2項に規定する特定港は、別表第二のとおりとする。

別表第二 (第2条関係)

都道府県 特定港
北海道 根室、釧路、苫小牧、室蘭、函館、小樽、留萌、稚内
青森県 青森、むつ小川原、八戸
岩手県 釜石
宮城県 石巻、仙台塩釜
秋田県 秋田船川
山形県 酒田
福島県 小名浜
茨城県 日立、鹿島
千葉県 木更津、千葉
東京都・神奈川県 京浜
神奈川県 横須賀
新潟県 直江津、新潟、両津
富山県 伏木富山
石川県 七尾、金沢
福井県 敦賀、福井
静岡県 田子の浦、清水
愛知県 三河、衣浦、名古屋
三重県 四日市
京都府 宮津、舞鶴
大阪府 阪南、大阪、泉州
兵庫県 尼崎西宮芦屋、神戸、東播磨、姫路
和歌山県     田辺、和歌山下津
鳥取県・島根県
島根県 浜田
岡山県 宇野、水島
広島県 福山、尾道糸崎、呉、広島
山口県 岩国、柳井、徳山下松、三田尻中関、宇部、萩
山口県・福岡県 関門
徳島県 徳島小松島
香川県   坂出、高松
愛媛県 松山、今治、新居浜、三島川之江
高知県 高知
福岡県 博多、三池
佐賀県 唐津
佐賀県・長崎県 伊万里
長崎県 長崎、佐世保、厳原
熊本県 三角
大分県 大分
宮崎県 細島
鹿児島県 鹿児島、喜入、名瀬
沖縄県 金武中城、那覇

港則法に基づく各種申請手続き

  1. 入出港届
  2. 入出港届省略許可申請
  3. 錨地・停泊場所指定願、移動・危険物荷役許可申請
  4. 係留施設使用届
  5. 係留施設使用届省略許可申請
  6. 修繕・係船届
  7. 危険物運搬許可申請書
  8. 私設信号使用許可申請書
  9. (工事・作業又は行事)許可申請書
  10. 進水・入出渠届
  11. 竹林材水上荷卸・筏運行・係留許可申請書
  12. 内容一部変更届・許可申請書
  13. 許容量を超える火薬等の荷役にかかる事前協議事項(荷役計画協議検討書)
  14. 港内工事・作業内容変更許可申請書
  15. 港内工事・作業完了届
  16. えい航許可申請書
  17. 入出航予定報告書
  18. 引火性危険物積載タンカーへの接近・接舷許可申請書
  19. 潮位計算書
  20. 入出港届記載事項証明申請書
  21. 航泊禁止区域内航行許可申請書
海上保安庁
第四管区海上保安本部
名古屋海上保安部
 名古屋市港区入船2-3-12(名古屋港湾合同庁舎別館)    Tel:052-661-1615
 当事務所とは、120mと近くです。お立ち寄りください。
衣浦海上保安署
 愛知県半田市11号地2  Tel:0569-22-4999
三河海上保安署
 愛知県豊橋市神野ふ頭町3−11  Tel:0532-34-0118
四日市海上保安部
 三重県四日市市千歳町5-1  Tel059-357-0118
尾鷲海上保安部
 三重県尾鷲市林町1-29  Tel:0597-25-0118