ちょっとピンぼけロバート・キャパ, ダヴィッド社



■[ちょっとピンボケ]には旧版と新版がある。上の写真の左が1956年に初版発行された旧版で480円、右が1980年に新版として発行されたもので1600円。新版ではページ数が30ページほど増加しているが、それは写真ページを増加させたもので、文章の追補はない。カバー写真は旧版ではブレッソンが撮影したキャパ自身であるが、新版ではキャパのDデイの写真にさし替えられている。

■新版には旧版では見ることのできない多くの写真が追加されていてありがたいのだが、印象が薄い。写真のコントラストが低いのである。旧版ではコート紙を使っていたのをコストダウンのために文章ページとおなじ上質紙にしたためである。

■一般には写真を撮るという行為は、自らのものの見方を表現はするが、写された現実の当事者ではなく、その向かい側にいるだけの存在、写真の訴える力が強ければ強いほど、その圧倒的な現実を前にしてそれに何ら関与せずに、傍観するだけの存在として定義される。

■そのような写真家自身の後ろめたさ感じさせないのがキャパである。体を張っているという次元を超えて、自ら自由に生きるということを喜びとして、そのためには写真を高く売りつけるための危険を顧みない。そこには反戦だとか平和だとかという教条はない。

キャパ年表



【BOOK LIBLARY】