クラカメからクラデジ/デジクラへ                                   2010-4-3




ライカM8/ズミクロン35mm・f2・ASPH (ノートリミング/JPEG-fin 無補正 )
鎌倉 長谷寺 (2010-3-20)

■写真を趣味にして50年以上、それがカメラ好きになって、さらにクラシック・カメラ漁りにとその関心を変質させてきた。今、カメラというものは眺めたり、触ったりする対象であり、それがたまたま写真を撮ることもできるというような倒錯した価値観になってしまっていると他人には言われる。理屈を言わせていただくなら、多くのコレクション対象物、絵にしてもレコードでも書籍でも器でも、他者の創造物を受容するだけだが、カメラは違う、創造の再生産ができるのである。だからカメラは何台あっても良いのである。そんなことを言っても、そこにデジタル・カメラの出現である。私の決して多くはない銀塩カメラが使われる頻度は確実に減っている。ついに諦めて趣味の領域でデジカメを使い始めたのは、2008年購入したリコーのGX200からだが、これは旅行用である。今でも写真を撮りに出かけるときは、クラシックな銀塩式カメラをぶら下げる。問題はその後始末だ。新品のフィルムを入れて10枚程度シャッタを押して帰宅する。そのうち現像しようと思いながら、そのまま忘れてしまう。あるとき、久しぶりにそのカメラを手にとって、フィルムが入っていることが分かっても、いつどこで撮ったフイルムであるか記憶になく、そのフィルムは捨てられていく。今、私が写真をいじるのはこのホームページ記録が中心である。となると、実は銀塩カメラは相当面倒なのである。

■そんな自分が最近、初めてデジカメをぶら下げて鎌倉を散歩したという話しを書く。マイクロ4/3というデジカメのフォーマットは、フランジバック長さが短いので、各種の銀塩カメラ用のレンズをアダプタを介して取り付け可能である。これを利用して古いレンズを楽しんでいる人が増え、そんな情報が目につくようになった。なにやらブームのきざしさえある。そして、なにより大好きなコンタックスG系のレンズ用のアダプタもあるという話しに触手が動いた。ということで、アダプタを見に銀座レモン社に行ってきた。アダプタ祭りをやっているかの大量展示があって、そこにG用のアダプタもあった。即、ご購入ということで、店員を呼ぼうとして気がついた。まだマイクロ4/3のボディがないではないか。新品のデジタル・ペンは置いてあったが、中古がない。そこで目に入ったのがM8の中古である。しかも、美品ではないので、比較的安い。ペンを買うよりは、はるかに良いことに、その瞬間にして気がついた。M8はフルサイズではないが、画角1.33倍で、マイクロ4/3よりオリジナルのレンズ画角に近いではないか。画角の正確な違いが分からないので調べたら以下のサイトでよく分かった。
「デジカメ ガバサク談義」よりhttp://takuki.tanupack.com/gabasaku/CCD.htm
 同サイトの情報を元に、M8のCCDサイズ(18×27mm)を当てはめると次のようになる。
 


■M8サイズの絶妙なのは、フルサイズとの画角比1.33倍にある。マイクロ4/3は2.08倍である。交換レンズの相当焦点距離(フルサイズに換算)は以下のようになる。常用の28mmが35mmになって、35mmは50mmになるではないか。なによりすばらしいのは、M8の縦横アスペクト比がフルサイズと同じことにある。これがM8のファインダを覗いたときに違和感がない理由である。
 わたしがデジタルペンでやりたかったのは、コンタックスGの超広角レンズでの撮影であった。ホロゴン16mmが33mmになってしまうのは、あまりにも情けない。しかも現在のマウントアダプタでは、28mm以下のレンズは物理的に取り付け困難とのこと。取り付けられる35mmが73mmになってしまっては、見た目のスナップ用らしい魅力的な外観以外に、写真を撮る実用的なメリットはない。そこまで言うなら、M8でなくM9をお買いになったらいかがですかと言われそうだ。しかし、M9は中古ではまだ買えない。
 以上の理屈は、後になってつけた。ともかく中古のM8を買ってしまったという次第である。そしてその翌日、鎌倉にぶら下げていって撮ったのが、上の写真である。 
レンズ焦点距離 ライカM8 フォーサーズ
12mm 16.0mm 25.0mm
15mm 20.0mm 31.2mm
20mm 26.6mm 41.6mm
28mm 37.2mm 58.2mm
35mm 46.6mm 72.8mm
50mm 66.5mm 104mm
90mm 119.7mm 189.3mm


こんな組み合わせは悪趣味ですか?
ウルトラ・ワイド・ヘリア12mm+ホロゴン16mm用ファインダ+M8ボディ


■クラカメ趣味生活はクラデジ・デジクラ趣味生活に変わった。「デジクラ」とは、クラシックカメラをデジタルで楽しむ方法論である。自分にとってはフィルム・スキャナによるデジタル化であるが、最近では、フィルムを現像に出すときに、昔は同時プリントだったが、今は「同時デジタル化」を依頼する。そうすると数時間以内に、ネガがCDデータになっている。自分でスキャナ入力する面倒から解放され、古いカメラをいろいろと持ち出したくなっている。
 M8が手に入ったことで、今度は「クラデジ」が始まる。これも自分にとっては中古のデジカメを楽しむことを意味するが、クラシック・レンズの画角や発色やクセをデジタルで楽しむという新たな世界が広がる。当面、「デジクラ」「クラデシ」の二本立てのカメラ趣味を続けられそうである。

■M8での記念すべき第1ショットを記録に残しておく。下の写真である。春の嵐のため、電車が遅延し、待ちくたびれた大あくびに、思わず引き込まれて撮った。非常に地味な発色でつまらない、ということでモノクロにした。







【カメラの触感】