カメラの「刷り込み」(誤記述訂正)       2000-8-30 (2001-5-19訂正) 


<2001-5-19新規追加>
■昨日、メールにて、本コラムが事実誤認に基づくとのご指摘をいただきました。関係各位に、不快感、ご迷惑をお掛けしたことを謝罪します。誤りは、筆者が、お二人の黒崎先生を混同したことにあります。
……ここに登場する「黒崎先生」のことです。この黒崎氏は「東京女子大の黒崎政男先生」であり、「成城大学の黒崎宏先生」ではありません。…ちなみに「政男先生」の方はカントの専門家です。……とご指摘いただきました。


以下、200-8-30にアップした文章(赤字が訂正した部分)

■情報学と生態学の専門家である東大の佐倉統先生は、NHKの教育番組のコメンテータとしても活躍しておられるからご存知の方も多いはずです。この夏、機会があって佐倉先生の公開講座を受講した。ともかく知識と関心の幅が広い方で、雑談として語られることが大変面白い。そんな中でポロリとカメラの話題が出てきた。その話しが面白い。それは友人である成城大学の哲学者黒崎宏先生(正しくは東京女子大の黒崎政男先生を「カメラ・オタク」として紹介したことである。

物欲から最も遠い存在であるウィトゲンシュタイン(正しくはカントの専門家がカメラ・オタクだというのもピンとこないが、どうも黒崎さんはクラカメ界で第二の赤瀬川源平と目されているようであるらしい。友人らしい気安さからか、佐倉先生は生態学の立場から、黒崎先生のクラシックカメラ趣味を「ようするに刷り込みですね。」と断じた。

■「刷り込み」(インプリンテッング)とはコンラート・ローレンツら生態学の古典的研究によって解明されたように、生まれたばかりの幼鳥が、目が見えるようになって、最初に近傍に見える大きな物を親と認識(あるいは誤認)して、その認識は刷り込まれて変わることがないという特徴行動を言う。

■これのアナロジーとしてカメラ趣味を考察すると、人のカメラに対する嗜好は、その人の最も感受性の高かった年代(要するに若いころ)に刷り込まれることになる。すなわちその嗜好は単に刷り込まれただけであって、それを嗜好することを合理的に説明することはできない。それに理屈をつけるのがカメラ・オタクだという訳である。この評言は、黒崎先生だけでなく、クラシック・カメラ愛好者全てに当てはまると言ってしまうと、怒る人もいそうだが、少なくとも自分の嗜好について考えると、まさに「刷り込まれた」としか言えないなと苦笑せざるを得ない。




【カメラの触感】