愛機オートボーイ・プリズマのファインダー                2002-2-24 


■ジャスピンコニカに追随して、結果的にこのカテゴリーの商品で長期的に成功をおさめたのが、キャノンのオートボーイ・シリーズであろう。1979年,コニカから遅れること2年でストロボAFコンパクトの「オートボーイ」(AF35M,42,800円)を発売した。私が愛用しているのは、そのシリーズの中で異彩を放っている「オートボーイ・プリズマ」(1988年 38,500円)である。最初は1990頃に10000円で、次は5年程前にストロボの反射板がズレてしまったものを5000円で、そして2週間前に、今度は2000円で手に入れた。初代は子供に持たせていて、動作しなくなり、2台目は、この正月のマドリッドで盗難に遭い、なくなってしまったので探していたところ、横浜の西口で見つけたものだ。

■三代目は、ちょっと珍しいモデルで、「SUPER SHOT ACE」という名称の輸出モデル。デート機構が取り外された簡易型であるが、自分にとってはこの方が都合がよい。後は、きちんと写ってくれさえすればよい。これだけカメラがあふれているのに、何ゆえ、このカメラが、自分にとって必要なのか。好きだったということではない。ともかく、一人旅で自分を記念撮影するのに、これほど便利なカメラはないのだ。すなわち、通常のアイレベルのレンジファインダーのほか、小型のウエストレベルのファインダーが付いているのだ。カメラを地面やテーブルに置いて、簡単に視野を決められる。さらに親切にもカメラの底面にはボディーのチルト機構まで付いている。それであとは赤外線リモコンでレリーズが切れる仕掛けになっている。

■一人旅で、他人にシャッターを押してもらうのは面倒なものだし、何より、私の旅先では、だれも周りにいないことが多いのだ。子供によれば、仲間で出掛けでも、やはり便利だと言う。ところが、このプリズマは、1988年に発売された後、結局モデルチェンジ品は継続販売されなかった。このアベイラビリティーの高さは、結局一部のユーザーにしか訴求しなかったことになる。だから、すでに発売後14年たった現時点でも、代替品のない大変貴重なモデルということになる。数年前、横須賀の町外れの小さなカメラ屋の古色蒼然たるショーウインドーに、ビニールでくるんで、新品が展示してあったが、まだ売っているだろうか。

■今日、故障した一代目を分解してみた。回路故障のようで、素人には手がでない。そこで、かねがね疑問に思っていたファインダー構造を理解するために、ファインダー部分を調べた。そのとき取り外したのが、上の写真のプリズム。すごい部品がポロリと出てきた。このカメラにプリズマという名前を付けた意味が分かった。当然、フレネルレンズを外すと45度のミラーが出てくると思っていたが、こんなに凝った構造であったとは……。とりあえず、以下に概略の光学系構成を示す。

■しかし考えてみると、反射ミラーであると、単純には左右逆像になってしまって、スピーディーな視野合わせが困難になる。だから一眼レフが使っているダハプリズムを採用した。図のように、レンジファインダーの光学系に直交してウエストレベルの光路を設けながら、レンジファインダーに上からの外光の影響を与えない。これをたった1ッ個のプラスチック複合プリズムが実現している。実にかしこい設計だ。
 ともかく、海外旅行必携のカメラ・コンセプトである。最新のテクノロジーで、新モデルを発売してもらいたいものだ。






【カメラの触感】