2006-6-17作成

ヨーロッパの東西南北
 ■1992年に、ユーレイルパスを使った鉄道旅行を計画したときに立てた目標が、ヨーロッパのそれぞれ東西南北の果ての地にある鉄道駅に行こうというものであった。こんなことを言うと、それより日本国内の東西南北は行ったことがあるのかと言われる。まずそれを確認して見る。

■旧国鉄時代はシンプルだった。
    東端…東根室駅(根室線)    東経145度36分
    西端…平戸口駅(松浦線)    東経129度35分
    南端…西大山駅(指宿枕崎線) 北緯31度11分
    北端…稚内駅(宗谷本線)    北緯45度25分
 それぞれ、一応行った事があるとしておこう。平戸口と稚内は下車したが、東根室と西大山は通過しただけだ。ところが、今回インターネットで調べてみると、沖縄モノレールができたことで状況が変わっているようだ。西端・南端の地位が変わってしまった。どちらも行ったことがない。
    西端…那覇空港(沖縄都市モノレール) 東経127度39分
    南端…赤嶺(沖縄都市モノレール)    北緯26度12分
 鉄道ファンとしては、最果ての駅とは、鉄道を乗り継いで、乗り継いで、ようやくたどり着く果ての地である。申し訳ないが、東京から飛行機で到着して、モノレールに乗ろうとしたら、そこが日本最西端の駅だと言われても、感慨が沸かない。だから、行って見ようという気にならない。

■1992年の旅行では、17日間かけて、「ノルウェイ最北端のナルビク駅」から、「ポルトガル最西端のカスカイス駅」まで鉄道で移動した。まず「最北端の駅」の定義である。ナルビクを知ったのは、宮脇俊三さんの「汽車旅は地球の果てへ」(日本交通公社、1986年)である。しかし同書にはナルビクがヨーロッパ最北端の駅であるとする記述はない。ただし、一般にはナルビク駅は「ヨーロッパ最北端として知られている。問題はヨーロッパの地理的範囲そのものの定義である。南と西は良いとしても、北、特に東の果てを定義するときに、ヨーロッパの範囲ははっきりしない。時代によって変わってきたのだろうし、ヨーロッパを政治的に定義するか、文化的に定義するかでも変わってくるだろう。教科書的地理学ではウラル山脈がヨーロッパの東の果て、その先はアジアになるというの定説。しかしヨーロッパとロシアの対立という概念もある。ロシアをヨーロッパと考えないとすることも可能である。
 ということで、私のヨーロッパ東西南北は一応、ユーレールパスや東欧レールパスが使える諸国までとして、旧ソ連圏を含めないことにした。旅の素人には旧ソ連圏を自由に移動するというのは現実的ではないからである。以下にそれぞれの方角の最端駅を確認していく。

■【最北端】■(ナルビク駅:ノルウェイ)
 ロシアを含めるとムルマンスク駅を最北端とすべきであろうか。だいたい北緯69度。
ムルマンスク情報「アリョーシャ」にモスクワからの路線図が示されている。
http://www.murman-navi.info/traffic/m_train.html
 フィンランドもかつてはヨーロッパと扱われていなかったようであるが、その北端駅はケミヤルビ駅である。サンタクロースで有名なロバミニエから85kmぐらい北東の方向。これならナルビク駅の方が北だ。大体北緯68.5度。ちなみにアイスランドの最北端はノルウェイのボーデより南に位置するので、ナルビク北端説は揺るがない。ところでアイスランドに鉄道があるのだろうか。トーマスクックには記載がない。世界地図帖では鉄道がなさそうな感じ。ウェブでも鉄道はないという記述を見つけた。

■【最西端】■(トラリー駅:アイルランド)
 アイスランドの鉄道の有無にこだわったのは、アイスランドはポルトガルよりもはるか西に位置するからである。アイスランドはいいとして、今日しげしげと世界地図帖を見てみると、アイルランドは西崖群は明らかにポルトガルより西に位置する。問題は鉄道だ。トーマスクックでは「トラリー駅」が最西端のように見える。西経10度あたりである。私が1992年9月25日に到達した「カスカイス駅」は約9.5度あたりである。この駅も「ヨーロッパ最西端」を名乗る資格を失った。私の行ったのは「ヨーロッパ大陸最西端の駅」であった。

■【最南端】■(アルヘシラス駅:スペイン)
 最南端で失敗した話しは既に書いた。1997年9月22日「ギリシャ最南端のカラマータ駅」に到達して、ヨーロッパ最南端駅に行ってきた気分になっていが、スペインのジブラルタル海峡に面したアルヘシラス駅の方が南であることに現地の地図を見て気づいた。トルコのイスタンプールはヨーロッパ大陸にあるが、カラマータより北に位置しているから問題外。カラマータは約北緯37度、アルヘシラスは約北緯36度。ということで、2002年1月にアルヘシラス駅に到着する計画を立てたのだが、マドリッドで事故にあって途中で挫折してしまった。ところで、今日気付いたのはクレタ島である。クレタ島に鉄道があれば、約北緯35度でアルヘシラスに勝つ。クレタには鉄道はなさそうだ?。

■【最東端】■(ヨエンスー駅:フィンランド)
 今日、私が定義した範囲で考えると、黒海に面したブルガリアの「コンスタンツァ駅」がヨーロッパ最東端駅の候補だ。東経29度に近い。トーマスクックによれば、ブカレストから225km、2時間半ほどで到着する。黒海に面しているというのが、東の果てというイメージに合って魅力的だ。
 ところがフィンランドのロシア国境近く「ヨエンスー駅」はヘルシンキから北東に500km、東経30度である。なんだか東の果てという感じはしない。




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