2004-10-30作成

インフォメーション[?]を当てにしない
 ■「地球の歩き方」は旅行前、旅行中の情報収集にとってありがたい存在である。特に町歩きのために、そこに掲載されている地図は必須である。ところが、その地図には、ヨーロッパではどこでも同じように「?」マークを掲げているインフォメーシュン(観光案内所)が表示されていて、詳しい情報を得たければ、インフォメーションに寄れと書いてある。

■ところが困ったことがある。同書だけでなく、一般のガイドマップには、大都市は別にして駅が出てこないことが多いのである。概して、地方の小さな駅は町の中心から離れたところにあるからである。事前情報が余り手に入っていない土地に行く場合、まずインフォメーションに寄りたい。ところが、駅からこのインフォメーションまでの行き方が分からないからだ。

■駅でだれかに聞けばいいではないかと思われるが、意外にそれは難しい。もちろん会話が出来ないのも理由のひとつにしても、実は、尋ねやすい人がいない。地方の中小駅は駅員が少ないので、窓口も列車の発車時間に合わせて短時間だけオープンするだけのことが多い。到着時に、もちろん改札をする訳ではないので、駅員に尋ねるのは難しい。何人もの人が駅に到着しても、少し回りをキョロキョロしている間に、駅に誰も居なくなってしまう。どちらかといえばあやしげな老人や、危険そうな若者がたむろしているだけになってしまう。彼らとは口を利くのは怖い。

■たとえば1997年にローマから、ハドリアヌス帝の「ヴィラ・アドリアーナ」に行こうということで、ローカル線でティボリ駅まで一時間ほどの旅をする。この時は、まったく場所に関する事前情報がなく、駅からバスで行くことしか分かっていなかった。最悪タクシーを使えばよいと思っていたが、到着した駅はほぼ無人でタクシーもいない。ということで、適当に歩きだす。川向こうの丘の上にある町の中心部には路地を抜けていけば出れたのだが、危険かと思い、川沿いの広い自動車道路を歩いた。その途中で、町と逆の方向にバスが沢山止まっているのが見えて、そちらに向かったのが失敗。それはバスのプールで、そこからは乗客は乗せない。結局、親切なバス運転手が特別に乗せてくれたのだが……。こんなとき、事前に駅からの地図さえあれば、こんな失敗はしない。ちなみに、ティボリの町のインフォは町の中心の広場に面して、「ヴィラ・デ・エステ」の傍にあった。

■2002年正月、マドリッドからセゴビアまでローマの水道橋を見に行った。スペインの車窓はガレ場が多いのだが、セゴビアに近づくにしたがって、緑豊かな山岳風景が広がり、楽しかった。しかし観光地ゆえ、何の事前調査もせず、ほぼ手ぶらで出かけたのが失敗だった。セゴビア駅では何人かの人が降りたので、それについて出口に出た。大半の人は駅前から車やタクシーであっという間に消えてしまい、また駅には一人取り残されてしまった。駅前には観光地図もない。
 こういうときの法則は、まず高い塔を探すことだ。ヨーロッパの町は塔の周りに発展している。しかし見えない。しからばということで、次の手段で高い方を目差して歩く。城郭都市は一般的に丘の上にあるからだが、間違えたとしても、上からの方が、目標物を発見しやすいからだ。30分程、市街を歩いて水道橋のある広場にたどり着くことができた。この時は、角を曲がるたびに後を振り返って、目印になるような看板や、特徴をメモして、地図を作りながら歩いた。知らない町を歩いて、なんとか目的地に到着することができても、意外にも戻るのが、難しい。行きの景色と、帰りの景色は、同じ地点でも、まったく違うからだ。


EURAIL Old Traveler