どうやってソンポール峠を越えるか


(2009-1-23)


地図拡大](アラゴンの道)

■2009年に二度目の巡礼を計画しているのだが、前回の終着点であったアジェギのイラーチェ修道院から歩き始めるのではなく、もう一度ピレネー越えをしたいという気分になってしまった。 ピレネーを越える道は二つある。イバネアタ峠(またはシーズ峠)を越えてロンスボーに下る道と、ソンポール峠越えである。前記がフランス中央部からのルートであるのに対して、後者は南部からのルートでアルルから始まる「トゥールーズの道」とも言われる。スペインに入って、プエンテ・ラ・レイナで合流するまでを「アラゴンの道」と呼ぶ。なかなか歩く時間を見つけられない私が、先を急ぐより振り出しに戻って 「アラゴンの道」を歩きたいという理由は、このサンテイアゴ巡礼をあっさり終わりたくないという気持ちからである。健康が許せばあと5年は楽しみたい。定年になる前は聖年2010年(来年)に歩き切るつもりだったが、出来ればその次の聖年2021年までグズグズ歩こうかなどと、現在の健康状態を前提とした楽観的な気分なのである。

■実は傲慢にも、たった6日間ほどフランス人の道を歩いただけで、だいたい感じがつかめ、時間と精神力さえあれば、コンポステラまで歩ききれそうな気分。それより、もっといろいろ見て歩きたい。アラゴンの道には、岩窟の「サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院」に始まって、ザビエルのふるさと「ハビエル城」、サングエッサの「サンタ・マリア・ラ・レアル教会」を通って、そしてあの宝石のような「エウナテ教会」をもう一度訪れてからプエンテ・ラ・レイナで合流する。そしてなにより、ピレネーの風光は、イバネアタ峠よりはるかに雄大で、俗化していない。それにソンポール峠を越えた後の、カンフランクは鉄道の終着駅として、実は鉄道好きの聖地であるのだ。

■問題は歩き切れるかである。情報が少ない。実は池田宗弘さんの巡礼の道絵巻には、カンフランクからのルートが示されているので、安心していたが、これではソンポール峠の越え方が分からないことを最近になって分かったのだ。カンフランクはソンポール峠を下った地点であるので、ここから歩くのは、少しつまらない。やはり、フランス側からソンポール峠を越えてみたい。ではどこから歩くか、それが今日の問題である。もしこれが歩ければ、フランス側の道を歩く自信がつく。そうすれば、ル・ピュイやウエズレーから歩くという、別の夢も実現性を帯びてくる。

■日本からソンポール峠に辿りつく方法は2通りあるだろう。一つは「サラゴサ」から「カンフランク」行きのローカル線で行く方法。距離は215kmだが、4時間近くかかる。一日2便しかない。サラゴサはマドリッドからAVEで1.5時間。こちらは幹線だから本数は多い。ただ「カンフランク」から「ソンポール峠」まではバスかタクシーで登る。10km程度で、ソンポール峠に到着、そしてもと来た道を歩く。
 もうひとつの方法は、フランス側から入る。「ポー」から「オロロン・サントマリー」まで36kmのローカル線を40分程度行く。.「オロロン・サントマリー」からはバスでソンポール峠まで約35kmだから1時間程度だろう。
 スペイン側から入るのは、歩く道を逆に戻ってからのスタートになるから、行ったり来たりで、無駄な感じがするし、何より印象が新鮮でなくなる。
 フランス側からだと、「ポー」まで行くのが大変そうだが、実は昨年の夏、「サン・ジャン・ピエ・ド・ポー」まで行くときに使ったのと同じ、パリ・オーステルリッツ駅からの夜行の分割列車に乗れば、23:11発/7:23着である。これであると、成田を朝立って、当日パリから夜行に乗れば、翌朝8:16に「オロロン・サントマリー」に到着してしまう。ここからバスに乗るのが安全だが、できれば「オロロン・サントマリー」から歩きたい。ルート地図はないが、自動車道を行けば何とか行けそう。現地で探せば「案内所」で情報が得られるかもしれない。問題は、当日ソンポール峠の手前で宿を取る必要があることだ。グーグル・マップを拡大して見ると峠までは、途中に集落があるようだし、ピレネー国立公園内なので、ホテルはありそうな感じがする。




<引用>Thomas Cook ヨーロッパ鉄道時刻表2008年夏版(必ず当年の当シーズンの時刻表確認すること)上はあくまでも検討用。


■つい先日までは、ソンポール峠から歩くことしか考えていなかったのが、これを書いているうちに、というか、「アラゴンの道」地図を延べ6時間ぐらいかけて作っている間に、すっかりオオロン・サント・マリーから歩く気分がみなぎってしまった。それは、司教座オロロン・サント・マリーのサント・マリー教会にどうしても立ち寄りたいと言うことなのだが、そうすると、そこがスタート点だから、サント・マリーに参ってから、バスに乗ってしまっては巡礼にならないということである。
 なお、以下は巡礼には関係ないが、カンフランク駅について書いておきたい。かつてフランスとスペインをつなぐ鉄道ルートは3本あった。地中海側で、自動ゲージ補正ができるので、乗り換えの必要なく通過できるポートボー駅。イギリス海峡側のイルン駅/エンダイヤ駅。そしてもうひとつが、このカンフランク駅で、ピレネー山岳地帯を越えるルートであった。カンフランク駅は1928年、当時スペイン最大規模の駅(全長241m)として新古典主義様式で建設されたが、1970年にフランス側との連続運転を中止し、オロロンとカンフランクの間は廃線となり、バス代行運転になってしまった。その壮麗な駅舎はいまだに残っている。
 1970年のトーマス・クックがたまたまあったので、調べたら、1970年の4月号は下のように鉄道が運行していることが分かる。


 

<引用>COOKS CONTINENTAL TIMETABLE (APRIL 1970)




サンチャゴ巡礼