サンティアゴ(など)巡礼関連書 |
■本ばかり読んでも仕方ないというのが、下のリストを作りながらの結論。空しくなってきた。多くの本は上記のピコー本に、その情報を頼っているので、場所や伝承に関する記述がみな同じだからし、体験談は結局、自分でやってみなければ分かるまいという著者の意識が見えてしまうからであろうか。しかし今までは、「夢」でしかなかった巡礼が、これらを知ることによって、一般旅行者にとっても実現可能なレベルになってきたとは言える。そんななかでも、「池田宗弘」さんの「道絵巻」の存在が圧倒的で、まさに「圧巻」のボリュームである。そして実用情報という意味では中谷光月子さんの「サンティアゴ巡礼へ行こう!」を信頼している。この本に出会ってからは、地名等のスペイン語カタカナ表記は、同書に準拠するようにしている。たとえば、コエーリョ本では「エメリック・ピカード」と書かれている人はポアティエの司祭で「エムリー・ピコー」だというようなことまで分かる。 |
![]() |
カミーノ巡礼ガイドブックはここで注文できる。「エル カミーノ デ サンティアゴ ア ピエ」 ピエはスペイン語で「足」だ。宮城県の松島にあるお店らしい。2006年版在庫ありとのことで、私も注文した。 |
発行 | 表紙150 | 書 名 | 内容300 |
1955年 | ![]() |
岩波写真文庫169 フランス古寺巡礼 柳宗玄 1955年11月25日発行 |
ロマネスクの最も初期の紹介者、柳宗玄によるもの。写真もすべて柳による。ル・ピュイ道の「ル・ピュイ」「コンク」「モワサック」の写真もあるが、徒歩で行くことはないにしてもも、「オルネー」と「オータン」は行ってみたい。 |
1984年 | ![]() |
フランスの聖者たち −古寺巡礼の手帖, 渡邊昌美,大坂書房,1200円 1984年8月20日 第1刷 |
本書の最終章は「旅の仲間」である。トールキンの「指輪物語」が国内出版されたのは1972年。その第1部の名前をそのまま借用したのかと思う。それに惹かれて本書を読んだのが、「サンチャゴ・デ・コンポステラ巡礼」を知るきっかけであった。コンク、サン・ドゥニ、フォントネー、ロカマドゥールなどのフランスのロマネスク聖堂に関する記述が主である。 本書がきっかけで、鉄道で行きやすい「ル・ピュイ」を2001年に訪ねることになる。その頃は、フランス・ロマネスクへの関心であり、サンテイアゴまで歩きたいという気持ちが湧いていた訳ではない。 |
1984年 | ![]() |
奇跡の聖地ルルド 田中澄江(文),菅井日人(写真), 講談社,2000円 1984年11月19日 第1刷 |
ベルナデッタがマリアを幻視したのは1858年2月11日が最初であった。それは速やかに奇跡として認知され、1868年には最初の聖堂が建てられた。マリア信仰は中世から民衆信仰として長く続いていたが、バチカンがこれを公認するのは新しくて、1854年ピオ9世のときであった。その4年後の事件であった。 関連HP記事「ルルドにて」 |
1985年 | ![]() |
スペイン巡礼の道 小谷明・粟津則雄,新潮社,1100円 1985年3月25日 第1刷 |
この本で初めて、ピレネーからの巡礼ルートを地図の形で見ることができた。ただし、著者としても、まだ徒歩による巡礼が一般的だとは捉えていない。なにより、その写真に徒歩巡礼者がまったく写っていないし、黄色の矢印もない。この時点でカミーノはまだ復活していないようだ。 |
1986年 | ![]() |
サンチャゴ巡礼の道 イーブ・ボティノー,河出書房新社, 3800円, 1986年12月10日 第1刷 |
|
1986年 | ![]() |
巡礼の道 星の道 −−コンポステラへ旅する人びと ピエール・バレ ジャン・ノエル・ギュルガン 五十嵐ミドリ(訳) 平凡社,2400円 1986年12月10日 第1刷 |
エムリ・ピコー、ノンパール2世などの中世の巡礼者の記録から、当時のコンポステラ巡礼の姿を再現する。 |
1988年 | ![]() |
ヨーロッパ巡礼物語 田沼武能 グラフイック社,2900円 1988年12月25日 第1刷 |
ロマネスク建築や彫刻に最初に注目した日本人写真家は名取洋之助であったが、田沼もまた、その魅力に捕らわれて、パリ、ウエズレーから撮影しながらコンポステーラまで車で走破した。 |
1990年 | ![]() |
★★★ 巡礼の道絵巻 −ロマネスク彫刻紀行 池田宗弘,形文社,7000円 1990年7月25日 初版 |
国内では初めて、歩く人間のために書かれた案内絵地図。労作にして名著。どの出版社も断った連続絵巻を冊子にするという難技で、かつ採算に取れない仕事にチャレンジしたのが有限会社形文社の岩部定男さんである。 関連HP記事:池田宗弘さんはカミーノの真念 |
1991年 | ![]() |
巡礼と聖地 −キリスト教巡礼における心の探求 今野国雄,ペヨトル工房,2800円 1991年9月30日 第1刷 |
黒マリア信仰論が中核をなしている。 |
1994年 | ![]() |
ルルドの群集 J・K・ユイスマンス,田辺保(訳), 国書刊行会,3800円 1994年1月20日 第1刷 Les Foules de Lourdes J・K・Huysmans,1901-10-1 |
「彼方の作者ユイスマンスはこの記録を書いた後1907年死去する。最後の作品である。 |
1995年 | ![]() |
星の巡礼 パウロ・コエーリョ 山川紘矢+山川亜希子=訳 地湧社, 1995年10月 日 第1刷 写真は1998年の角川文庫の表紙 |
「スビリチュアル原典」 アソーフラやフォンセバドンなどで、試みの悪魔は「犬」として現れる。「種子の実習」は、自己実現へのゼロからの擬似体験の具体的な作業として分かり易い。「アルケミスト」を軽いファンタジーと見て、読まずにいたのを、たまたま「悪魔とプリン嬢」を読んで衝撃を受けた。それからしばらくコエーリョ漁りをする中で、出会った。 関連HP記事「コエーリョ巡礼ルートの推定」 |
1997年 | ![]() |
池田宗弘 遥かなる巡礼の道 スペイン サンテイアゴ・デ・コンポステーラへ (株)志摩スペイン村 38000円 縦257mm×横364mm 偶然、ヤフーオークションで入手。宝物だ。彩流社本は無彩色だが、こちらは全ページ彩色絵巻の豪華大型本である。パンフレット画像 |
|
1999年 | ![]() |
マグナムフォト 熊野古道 サンテイアゴへの道 (財)世界リゾート博記念財団 南紀熊野体験博実行委員会 1999年1月 |
熊野古道とサンテイアゴの道は「姉妹都市」ならぬ「姉妹の道」となっている。その双方の道をマグナムの複数の写真家が撮った写真集。 |
1999年 | ![]() |
Sentier de Saint-Jacques-de-Compostelle Le Chemin du Puy |
2001年末、モワサックで購入した。「フランス人の道」のうち、ル・ピュイ道の一部のガイドブック。(フランス語)フィジヤック→カオール→モワサックが5万分の1の縮尺で、示される。これなら何とか歩けそうな気がする。このシリーズはアマゾンでも、一部売っていた。 参考例:モワサック市街と近郊の道 |
![]() |
The Road to SANTIAGO Edilesa 1999 |
マドリッドで購入した写真中心の案内書。本サイトでは、その巻末の地図を引用・利用させていただいている。 | |
![]() |
|||
2000年 | ![]() |
星の旅人 −−スペイン「奥の細道」 黛まどか,光文社,1600円 2000年11月25日 第1刷 |
|
2001年 | ![]() |
カミーノ−−魂の旅路 シャーリー・マクレーン 山川紘矢+山川亜希子=訳 飛鳥新社,1600円 2001年9月30日 第1刷 |
体験記「スピリチュアル」 |
2002年 | ![]() |
サンティアゴ巡礼の道 檀ふみ,池田宗弘,五十嵐見鳥ほか 新潮社,1200円 2002年6月25日 第1刷 |
「芸術新潮」199年10月号特集「スペイン巡礼の旅」を再編集し、檀とコエーリョによる2001年の現地取材を追加した内容。 この本のお陰で「池田宗弘」さんの絵巻の存在を知った。 |
2002年 | ![]() |
||
2003年 | ![]() |
スペイン・ロマネスク彫刻研究 サンティアゴ巡礼の時代と美術 浅野ひとみ,九州大学出版会,12000円, 2003年2月28日初版 |
2010-6-19に開催された「サンティアゴ友の会」の総会で講演を聴講したことで知った浅野ひとみ先生の書籍。2009年漫然と眺めて来たサン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院の列柱の美術的意義が詳説されている。さらに聖ヤコブの書「巡礼案内記」の日本語全訳が含まれるのがうれしい。 …これの初出は「浅野ひとみ:サンテイアゴ「巡礼案内記」研究(上),純心人文研究8 2002,」である。(下)もありそうなので、入手したい。 |
2003年 | ![]() |
星降るカミーノ −−魂の旅路 神渡良平,PHP研究所,1500円 2003年9月8日 第1刷 |
体験記「スピリチュアル」 38歳で脳梗塞に倒れるが、その闘病生活の中で「人生はたった一回しかない。どんな人間にもなすべき使命がある。そのために地上に送られている。」ことに痛感する。 筆者HP http://www008.upp.so-net.ne.jp/kami/ |
2004年 | ![]() |
サンティアゴ巡礼へ行こう! −−歩いて楽しむスペイン 中谷光月子 彩流社,2200円 2004年11月1日 第1刷 |
一見して軽いノリの実用ガイドブックの体しているが、スペインの文化・歴史に関しては最も詳しく信頼の置ける本だ。現地でツアー・ガイドもしていたスペイン語に堪能で、さらにフランス留学もしている方である。そのすごい勉強ぶりを隠して軽く振舞っているが、コエーリョ流のスピリチュアル巡礼は嫌いなようだ。 |
2006年 | ![]() |
2006年2月20日 第1刷 | |
2006年 | ![]() |
Nadal,Paco: EL CAMINO DE SANTIAGO A PIE EL PAIS AGUILAR Edicion 2006 (有)スペイン書房(通販)4870円 |
スペイン語を覚えなければなるまいと思わせるガイドブック。情報満載だが、地図以外は理解不能。 2008年に以下の英語版ガイドが手に入ったので、お役御免となった。 |
2006年 | ![]() |
2006年11月20日 第1刷 | |
2006年 | ![]() |
THE WAY OF ST JAMES A CICERRONE GUIDE LEPUY TO THE PYRENEES by Alison Raju 2006 Reprinted ISBN13; 978-1-85284-3717 |
英語版のルピュイ道ガイド。小型で実用的。 アマゾンで入手。 書かれたのは2003年だから、情報としては新しくはない。 |
2007年 | ![]() |
Camimo de Santiago ROTHER WALKING GUIDE (2007) ISBN 978-3-7633-4835-0 |
小型・軽量で、地図も見やすい。やっと実際に持って歩く実用性のあるガイドブックが手に入った。2008年、パンプローナのおみやげ屋で入手した。ただし、この英語版を手に入れるには、何軒かはしごする必要があった。 |
2008年 | ![]() |
The Road to Santiago The Pilglim`s Practical Guide Jose Maria Anquita Jase 著 everest社発行 ISBN 978-84-241-0420-7 |
2008年パンプローナのバス・センタ内の書店で入手。詳細だが、重いし地図は見やすくないので、持って歩くには不適。 |