巡礼装備の最優先は軽量化
第6次携行装備品リスト(2015年度)


(2015-3-9記)

  
2008年の初カミーノは
四国で愛用していた「マギーの遍路靴」
2009年から「KEEN Targhee 11 Mid」
1000kmを越えて2014年から2足目

■自分のように足のマメが出来やすい人間にとっての巡礼準備の最重要課題は、安心できる靴の選定だ。これは四国遍路で散々苦労して、「マギーの遍路靴」に辿り着いた。一回目の巡礼にはこれを使ったが、遍路装束の「白」はカミーノには似合わない。そこでマギーの感じに近い「KEEN」を使っていて具合が良く、製造中止にならない限り、これを1000km毎に履き替えればよい。

■そうなると67才と高齢化しての体力の低下と、初期の巡礼による腰痛もあって、近年の巡礼準備の優先課題は装備の軽量化である。飲料水込みで、1回目の2008年は13kgオーバだったものを、2009年は11kg、腰痛で2年中断してのの3回目2012年は、色々と工夫して10kg以下と減らしてきた。しかし、2013年のル・ピュイの道の後半では、宿の不安から簡易テント(ツェルト、エアマットとランタン)一式で2kg弱の増量となってしまい、また11kg近くに戻ってしまった。
 先日、日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会のトレーニング企画で鎌倉ハイクに参加したとき、何人ものベテラン巡礼の話しを聞くと、なんと6kg以下にできるというではないか。まだまだ絞れないかと、出発まで2ケ月を切ってはいるが、色々見直している。

■先輩諸兄の軽量化策を少し列挙してみよう。
  ・ 着替えは1式しか持たない。
   毎日洗濯するか、洗濯できない日は、汗をかいたパンツ・シャツはそのまま干して、翌日そのまま着る。
  ・ 良いポンチョを使い、ザック・カバー、レイン・ジャケット、レイン・パンツと傘は持参しない。
  ・ 防寒具を必要とする寒い時期を避ける。
  ・ カメラは携帯で代用、電気かみそりも使わない。本体質量以外に充電器やケーブルが重くなる。
  ・ 石鹸は大きいものを1けだけ。(シャンプーも使わない、洗濯も石鹸を使う)
  ・ガイドブックは、通過した経路部分は破って捨てる。
  ・
歩行距離を抑えて、宿への到着時間を早くする。
   宿の不安も減るので、予備食料を持たなくよいし、水も減らせるし、洗濯時間も確保できる。


■上のアドバイスでは最後の赤字部分が、一番のポイントだと感じる。これらを参照すると、下の写真に示す昨年2014年の私の装備(出発の前日に広げてみたもの)は過大で過重だった。どうしても安心を確保したいという気持ちが質量増加につながるので、不安症の性格を変えないと無理かとか考えるが……。


2014年4月23日(フィッジャックからの歩行の前日)自宅で撮影。水なしで9kg。テント込みだから努力している。

 さらに一般的な巡礼装備について検討しよう。

■1■装備質量は体重の15%以下
 これはドイツ人巡礼から聞いた話し。体重60kgだと9kgとなるが、ヨーロッパ人は大型だから、15kgぐらい背負っている人は少なくない、しかも日本人のように小型化や軽量化にこだわった用品選定(要するに高額用品)していない人が多い。重くて大きな寝袋や衣類を整理せずに60L以上の大型ザックに詰めていても、体格がいいので、あまりザックの重さでへこたれている人は見かけない。まあ、女性や高齢男性の装備質量は8kg以下にするのが無難といえよう。

■2■ザック容積は35L程度
 これは日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会の人達の意見。これは容積が問題なのではなく、容積を絞ることで余計なものを入れられなくして重量軽減しようという作戦。しかし容積以上に大切なのは、ザック質量。ザックの選択だけで1kg以上の質量差となる場合がある。私は質量優先で30Lの1kg以下の最軽量ザックを使用している。このザック材質は薄いので岩場で破れる恐れがあって、山屋さんはあまり推奨しないが、雨が降っていなくても常時ザック・カバーを着けることで解決。常時ザック・カバーしていると、雨の降り始めで付けるか、付けないか躊躇しないでよい。容積が小さくても、上の写真のように、風呂敷で圧縮することで解消できる。これでテント装備まで押し込むことができる。

■3■風呂敷は羨望の圧縮収納法
 アルベルゲで、風呂敷を広げて収納していると、たまに褒めてくれる人がいる。ヨーロッパ人はみなビリール袋で区分収納しているが、風呂敷のように圧縮できない。特に私の薦めるのは寝袋を風呂敷で包むこと。ダウンの軽量寝袋は、朝起きてバックに収納するのに、ひどく困難である。容積を小さくするために、バックが非常に小さいので、非力な人間には時間がかかるし、むしろ不可能といえる。これを風呂敷で縛って圧縮すると、バックより少し容積は大きいが、素早くまあまあの小型化収納ができる。

■4■サブ・ザックは必須
 荷物をコンパクトにするためには、ザック1ケにまとめるのが普通だが、海外一人旅では、リスク分散のためにサブ・ザックは必須だ。これはアルベルゲのような共同生活する場合や、昼間レストランなどに入るときザックを外に置くような場合の不安解消になる。貴重品はトイレやシャワーに入るときも、常に身に付けておきたい。ウエスト・ポーチが一般的だが、私は比較的大きなショルダー・バックを使っている。ショルダーの斜め掛けは、肩や腰の左右バランスを崩すので推奨されていないが、私は昼間歩行中に使うものはすべてショルダー・バックに入れており、こうするとメインのザックを肩から下す必要がなくなる。そうすると、小休憩ではパックを下さず、すぐに出発することができる。水を飲むたびにザックを下している人もいるが、これでは前に進まない。

■5■便利な小物
1) マメの治療・予防キット(針、爪きり、クリーム、テープなど)
 マメはできない方がいいけれど、出来てしまったら早めに治療して、拡大しないようにしたい。水泡ができたら、針で穴をあける。皮が硬い部分は爪きりでカット。ポイントはマメの部分の皮膚をはがしてしまわないこと。水だけを抜いて皮膚を残しておくと、直りが早い。皮膚をはがしてしまうと、直る間もなく悪化してしまう。
 足爪を伸ばすと、長い下りでつま先が靴に当たり、爪をはがす。常につめは短く切っておくためにも爪切りは忘れずに。
2) 洗濯ハサミとレジ袋
 洗濯物は夕方(春夏だと8時ぐらいまでは日が当たる)まで乾かしておくのが原則。夕方遅くまであるくと、翌朝洗濯物が乾いていない。厚い靴下はザックに洗濯ハサミでぶら下げて乾燥させる。下着はレジ袋に入れる。特にレジ袋は現地で買い物しても、入れてくれない場合が多く、もらえてもペラペラで実用性がない。日本のレジ袋はしっかりしていて、何かと便利。
3) ジップロック
 ザック内の小物は、防水の密閉透明袋に入れて分類しておく。ザックが濡れても安心。
3) i-PAD
 ガイドブックや書籍を入れておく。池田絵地図、各巡礼ートのガイド、巡礼体験記、トーマスクックの時刻表、等々を自炊して入れてある。昼間明るいと読みにくいし、電池が切れると無用の長物だが、ここ2回の巡礼では、問題なく使えている。メモ帳も持たず、旅のメモもi-PADで済ましてしまう。
 小さな村のバルでも、大概はWiHiがあるので、ウエブへの接続は可能。ただしアルベルゲはWiHiがないことが多い。

■6■テントはいらない
 テントを持参する人は少ない。アルベルゲ泊まりであれば、テントを持ち運ぶ必要は少ないだろう。私の場合も万が一の安全対策であって、昨年のフランス人の道(スペイン側)では、20日間で一度も使用していない。テントを持つ利点は、その日の行程を決めずに歩けるところまで歩くという自由な感じがとてもよいが、そのために2kg近い装備増量を我慢するかは、価値観の問題。

…以上を踏まえて、本年度の「ツールの道」の装備を決定する。まずテントだが、「ツールの道」は平坦で山はないし、宿泊地の間隔も狭い。もし宿が取れないときは鉄道で近場の町に戻ることも出来ないことはない。よって万が一の場合は鉄道やタクシーで宿まで移動するとして、テントは持参しないことにする。これで2kg削減。
 資料関係は「池田絵地図と色エンピツ」(700g)もフランス側では不要。ただi-PAD用に大容量バッテリを買っておく。
 さらに小物関係の削減をして、(水込み)8kg強の見通し


2014年出発時の装備外観



サンティアゴ巡礼