池田宗弘さんはカミーノの真念(2)


(2007-8-26)



■池田宗弘さんの形文社版「巡礼の道絵巻」が手元に届いてから、約8ケ月たった。この間、2冊目の形文社版も手に入った。今度は初版なので、これで、初版し第2刷の両方揃った。あと数冊手に入れようと思って、「日本の古本屋」をチェックしているが、なかなか出てこない。しかし志摩スペイン村が発行したカラー豪華版「ユネスコ世界遺産・遥かなる巡礼の道」をヤフーのオークションで入手するという僥倖に恵まれた。美しくてすばらしいのだが、大きくて重いので、やはり形文社版をめくることが多い。
 これが上の写真だ。この写真には、上記の書籍だけでなく、変なものも写っている。この夏休みは、小事情が重なって珍しく何処にも旅行に出かけられなかった。そんな訳で、空いた時間で、前からやってみようと思っていた作業を行った。それが上の写真の右側に写っている長い帯状の紙である。形文社版の「巡礼の道絵巻」を何ページかコピーして、絵巻をつなげて、ルートを連続的に実感しようという試みである。

■元々、池田さんの原画も各ページに断片的に描かれたものではなく、フランス国境からサンティアゴ・デ・コンポステーラまでのカミーノ・巡礼道を連続的に書いたものを冊子化する都合で、ページ毎に分断しているのである。形文社本では、私が数えたかぎりでは245枚に分割されている。そのページをめくるだけでも、十分に楽しいのだが、つないでみたら、もっと面白いだろうというか、道の長さ、果てしなさを実感できるのではないかとの思いからの試みである。つないでから、色鉛筆で少し色を付けてみると、また良い。

■イバニエタ峠越えの地図はアルネギュイから始まるのだが、このアルネギュイ(732.1km地点)から11枚のコピーを貼り合わせてもビスカレッテ(702.7km地点)までである。たったこれで29.3kmである。上の写真では、下がアルネギュイ、上がビスカレッテである。コンポステーラまでだと、約61mほどになる勘定である。到底、全部をつなぎ合わせる気力はない。甘い。池田さんが、この絵地図を完成させるのには12年の歳月をかけている。まあ、比較すべきレベルではないが…。

■池田宗弘さんの巡礼の経過の概要は、以下である。
<1983年> 文化庁芸術家在外研修員としてスペインに1年派遣される。研究テーマは「スペイン国内に於けるサンティアゴ巡礼路に沿って点在しているロマネスクの教会及びそれに付随する彫刻の基本的構成法と制作法の研究」である。
11月から歩き始め、翌年の10月に帰国。その記録資料として多くのスケッチと絵地図を描く。
<1986年> 3ケ月間渡西して、絵地図を追補。
<1990年> 短期間渡西。
7月25日形文社版「巡礼の道絵巻」(初版)刊行。ヤコブの殉教日付に合わせている。
<1991年> 短期間渡西。
<1996年> 完成した絵地図を持って、再び巡礼道を歩く。7月26日スタートで、8月24日コンポステーラに到着。
絵地図を献納。現在はサンテイアゴ・デ・コンポステーラ巡礼美術館に収蔵。
<1997年> 1月1日志摩スペイン村版ユネスコ世界遺産・遥かなる巡礼の道」刊行。
3月2日形文社版「巡礼の道絵巻」(再版)刊行。






サンチャゴ巡礼